【コラム】本物のカウンセリング
私は30代前半にコーチングを学び、資格を取りました。それと前後して研修講師という仕事を始め、人材育成を本業とするようになりました。コーチングを研修でもお伝えしていますし、実際に個人向けにコーチングもしてきました。コーチングを世の中の方が、特に管理職が使えるようになることはとても大事なことで、その研修をやることは必要かつ重要で、自分にとってもやりがいのあることでした。
40歳になる頃段々と疑問が湧いてきました。自分は人材育成をしている、それは働いている方がより成果を出せるように、また成果を出せる組織を作るためにやっているわけです。ただよく考えると、働く人の中には成果を出しづらい方、また「今は」成果を出すことが難しい方も存在する。そういった方々に自分は全くアプローチできていないのではないか?ということです。
コーチングは色々な考えがありますから、私の言うコーチングが正しいわけではないですが、基本的には「もっと頑張れるようになる」「もっとよりよく生きる」ためのツールだと思っています。そのツールはいわゆる健常な状態の方向けです。例えばうつ病で休職した方の復職時のミーティングで管理職がコーチングを使うのは中々危険です。コーチングのスキルの一つ「傾聴」は使えるではないかと思う方もいるかもしれませんが、私自身はコーチングの傾聴とカウンセリングの傾聴は違うものだと思います。コーチングは「成果を出す、成長をする、させる」ための傾聴でカウンセリングは「問題解決+流派によっては成長をさせる」傾聴です。
さてコーチングとカウンセリングは似て非なるものですが、今まで私は管理職はカウンセリングを学ばなくてもコーチングの傾聴のうち「ただ聴く」ということや「2対8で部下の話を多くできるようにする」ことだけでもできれば十分で、管理職はカウンセリングではなく、「カウンセリング力」を身につければ良いのではないかと思っていました。
ただこの今の状態を踏まえていくと、もう管理職の方々にも本格的なカウンセリングができる力を身につけてもらったほうが良いのではないかと思うのです。特にテレワークの特徴の一つは「言葉のやりとりの重要性」です。その言葉を扱うプロになっていく必要が出てきたのではないかと思います。もちろん先日記載したコラムにも書きましたが、全員がカウンセリングができなければいけないとは思っておらず、そのレベルでできる人を増やす、ということと、それが不得意な人はツールを使うことで、補助輪をつけて近い効果を出せるように工夫をしたいと思います。
カウンセリング力から本物のカウンセリングへ、が必要だと思うのです。
前半カウンセリングで、モチベーションを上げてもらい、その後、コーチングで問題解決に入るのが、キャリコンだと思っています❗️
八木橋さん。コメントありがとうございます。
カウンセリングとコーチングの定義が私とは違うかもしれません。
カウンセリングはモチベーションをあげる、と言うよりもマイナスの状況を一旦ゼロ地点まで持っていく、コーチングはゼロより上の状態からさらに上に持っていく、と私は定義しています。
八木橋さんの仰ることが、まずはカウンセリングである程度良い状態になってもらってからコーチングを行う、と言うことでしたら、私の考えていることに近いように思います。
どちらにせよ、八木橋さんがキャリアコンサルタントにおいて状況に応じて使い分けていることそのものが素晴らしいと思います。