note記事47:メンタル不調の休職者をゼロにする! 一次予防×ラインケア「ハラスメント」は研修だけでは防止できない

2024年7月6日にnoteにてコラムを書きました。

リンクはこちらです。

https://note.com/cherishgrow/n/ncbf6bf14be31

noteに記載したコラム内容を再掲します。

 

「ハラスメント」の問題はもう今年中に解決しよう!

ハラスメントという言葉は1970年代にアメリカでセクシャル・ハラスメントという言葉が登場し、1980年代から日本でもセクシャル・ハラスメントが社会問題化し始め、1989年(平成元年)に日本で初めてセクシャル・ハラスメントを問う裁判が行われました(この裁判は1992年に結審し、被害者である女性の全面勝訴となっています)。
また「パワハラ」という言葉は、日本の株式会社クレオ・シー・キューブが名付けた2001年に誕生した和製英語です。

パワハラ問題の顕在化にともなって、厚生労働省が2011年に「職場のいじめ・嫌がらせに関する円卓会議ワーキング・グループ」を発足させ、パワハラ問題への取り組みのあり方の議論を開始しました。
そして2019年に国連によって、職場でのセクハラ・パワハラなどのハラスメント行為を禁止するという初の国際労働機関条約が発行されました。
こういった流れを受けて2019年のパワハラ防止法成立につながっています。

こう振り返ると、すでにハラスメントという言葉が日本で問題として上がってから40年は経っているわけです。
根絶できずに長くかかっているということは、それだけ難しい問題だ、ということは承知しているのですが、それでも「もうそろそろ解決していきたい」と思うのです。

ハラスメントとメンタル不調の関係

ハラスメントが存在する組織におけるメンタル不調の関係はどのようなものでしょうか。
このことに関しては実感としても「関係があるだろう」と思う方が多いのではないでしょうか。

厚生労働省が3年に一度調査を実施している「職場のハラスメントに関する実態調査」から見ていきます。

この調査の中から
「勤務先の取り組みによる職場の変化(対象:勤務先がハラスメント予防・解決に取り組んでいる、かつ「その他」以外と回答した者)」として、ハラスメント予防・解決の取り組みによって職場がこの3年間でどのように変化しているのかを、「積極的に取り組んでいる」「取り組んでいる」「あまり取り組んでいない」に分類しています。
職場の変化は下記の項目です。

・職場の生産性
・あなた自身の働きやすさ
・同じ職場の人の働きやすさ
・あなた自身の業務の負荷
・同じ職場の他の人の業務の負荷
・部下への指導のしやすさ
・上司/部下とのコミュニケーション(話しやすさ/接しやすさ)
・体調不良などで休む人の人数

この中から一番最後の「体調不良などで休む人の人数」の結果を提示します。

「体調不良などで休む人の人数」
①「改善された」②変わらない③悪化している④わからないの項目で回答

・「積極的に取り組んでいる」
①27.2 ②49.0 ③3.9 ④19.9
・「取り組んでいる」
①11.6 ②63.0 ③6.8 ④18.6
・「あまり取り組んでいない」
①5.6 ②59.5 ③21.4 ④13.6
※
全て%です。

いかがでしょうか。
特に「あまり取り組んでいない」と答えた人の中で「体調不良などで休む人の人数」が「悪化した」が21.4%というのは衝撃的です。

ハラスメントの問題を解決していくことはメンタル不調の休職者をゼロにしていくためには、とても重要な項目であるといえます。

ハラスメントは研修だけでは防止できない!

前述の厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査」では
ハラスメントに対する企業の8つの取り組みをあげて調査しています。

①事業主によるハラスメント対策への取り組み姿勢を明確に示す発信
②経営幹部がハラスメントに対する関心と理解を深め、労働者等に対する言動に必要な注意を払うための周知・啓発
③ハラスメントの内容、職場におけるハラスメントをなくす旨の方針の明確化と周知・啓発
④行為者に厳正に対処する旨の方針・対処の内容の就業規則等への規定と周知・啓発
⑤相談窓口の設置と周知
⑥相談窓口担当者が相談内容や状況に応じて適切に対応できるようにするための対応
⑦相談者・行為者のプライバシー保護のための措置の実施と周知
⑧相談したいこと、事実関係の確認に協力したことを等を理由として不利益取り扱いをされない旨の定めと周知・啓発

①から④までは経営幹部や管理職、社員全員に対してのルールづくりとその周知に当たります。
また⑤から⑧はハラスメントが起きた時にどう対応するのか、対応する際に気をつけておくべきことを定めていることになります。

私自身は主に②、③、④で関わることが多いです。周知の役割としてのハラスメント研修の実施ですね。
研修のご依頼を受けることはとても嬉しいのですが、いつも思うこととしては「ハラスメント防止の研修だけではハラスメントはなくならないのではないか」ということです。

ハラスメントは2つのインプットと構造の解消の両方を扱う必要がある!

私の考えとしてはこのように考えています。
スライドを作ってみました。

画像

インプットは2つのインプットが必要です。
一つ目は「ハラスメント研修」です。
この時、どのようなハラスメント研修が良いかは別途書いていきます。
もう一つのインプットとして「代わりのマネジメント」の提示がとっても大事です。
「してはいけないこと」だけを伝えても、研修を受けた人は「できないこと」「やってはいけにこと」が増えるだけで、何をすれば良いか、どうすると良いかわかりません。
ハラスメント行為の代わりにどのようなマネジメントやコミュニケーションを行なっていくと良いかを提示していくことが大事なのです。
代わりのマネジメントは組織ごとに選択していく必要があります。
スライドでは「心理的安全性」を一つの例としてあげています。
私自身は「礼儀正しさ」「敬意をもつ」「対人マナー」といったことが鍵になるのではないかと考えています。

もう一つは「ハラスメントが発生する構造の解消」です。
私は大きく3つの問題があると思います。

「加害者の人格の問題」→自分の感情を隠すことができない人など
「周囲の原因帰属の問題」→あの人は怒られて当然だ、という周囲の承認
「上位者による制御の問題」→あの人の機嫌を損ねると困る、などの状況があり、上位者がハラスメント行為を制御できない場合など

いかがでしょうか。

これは研修などで提示することができる部分もありますが、
それぞれに対して対策が違いますので、個別の分析と対策が必要です。
この3つの問題に関しても別のコラムで書いていきます。
このコラムで押さえておいてほしいと思うのは、

「ハラスメントをしてはいけない」という研修だけではハラスメントをなくすことはできない!

ということです。

まとめ

今回の記事は「休職する人をゼロにしたい」と書いた記事と連動した内容となっています。
「3つの予防」と「4つのケア」の全体像の中の1次予防✖️ラインケアを扱っています。
次回はもう少しハラスメントについて書いていくつもりです。

この記事を読んで「メンタル不調による休職をゼロにするために何かしたい!」と思った方がいましたらお声がけください。
一緒に考えていきましょう。
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note記事46:芸能人への誹謗中傷にカウンセラーとして思うこと

2024年6月5日にnoteにてコラムを書きました。

リンクはこちらです。

https://note.com/cherishgrow/n/n55a9d0317ee1

noteに記載したコラム内容を再掲します。

 

星野源さんのラジオを聴いて

現在noteでは「メンタル不調の休職者をゼロにする!」という内容で書いているのですが、ちょっと最近思ったことを挟みます。

2024年5月28日の「星野源のオールナイトニッポン」でパーソナリティの星野源さんとその配偶者である新垣結衣さんが一緒に出演し、SNSのX(エックス)で展開していた星野源さんの不倫騒動に対して「事実無根である」と言うことを話す、ということがあり、私はラジオリスナーとして聴きました。

その話の中で印象的だったのが、
「100%やっていないことで、事実がひとつもないことで。日本中から憎悪を向けられている感覚になったんですよね。その経験は今まで一度もなくて。本当に恐ろしかったし、自分以外に妻も含め仕事仲間とかつらい思いをしているだろうと思うと、本当に悲しかったです。とても悲しかった。もう、二度とあんな気持ちにはなりたくないなと、本当に心から思います」
という発言です。

ファンとしては、
「それは大変だったろうな」「夫婦で共演してはっきりと言ってくれて嬉しいな」などと様々な気持ちで聞いていました。
またそれと同時に考えたのは、
カウンセラーとしてはどう考えると良いのか?
ということです。

誹謗中傷から影響を受ける人への対策と芸能人の方向け、という二つの課題

ネットにおける誹謗中傷は社会問題です。
自殺する人も出ている問題であり、手を打っていく必要があるものなのは当たり前と言って良いでしょう。

誹謗中傷対策としては、ネットから誹謗中傷が減るような取り組みと、ネットの誹謗中傷で影響を受ける人を減らす(誹謗中傷を受けてもダメージが少ない状態を目指すこと)が大事です。
カウンセラーとしては後者への対策に関わっていくことができます。
調べてみると誹謗中傷に悩む方向けのカウンセリングサービスは数多く出てきました。各種カウンセリングサービスの質を私は把握することができていませんので、リンクなどは貼らずにおきますが、企業や団体が様々な取り組みをしていることを確認出来て安心しました。
とはいっても相談したい人の立場に立つと、どういう判断でサービスを選べば良いかが難しそうですので、見極め方についても広まると良いですね。

一方、芸能人向けと考えると、あるにはあるのですが、数が少ないのと、ちょっとこれは失礼な表現で恐縮ですが、あやしい(質が不明)ように見えるサイトが目につきました。
以前、芸能事務所がカウンセリング体制を発表したことがありましたが、現在どのように機能しているのでしょうか。

事務所の対応とフリーの人向けの対応が必要

一般企業ですと、月に残業が80時間以上あった社員は産業医の方との面談をするなどの規則があります。
これは残業80時間以上は心身に悪影響が出るから、確認をしましょう、また状態によっては勤務状況の調整を会社として行いましょう、ということです。
これを芸能事務所と誹謗中傷に当てはめると、
誹謗中傷は自殺を引き起こすほどの影響のある出来事である、と設定し、誹謗中傷を受ける事態が発生したタレントには、事務所は即時産業医の面談やカウンセリングの実施、また私の考えとしてはカウンセラーと一緒に誹謗中傷のコメントを見るようにするなど、ひとりで対処しないといった仕組みづくりや専門家がすぐにケアできる体制にもっていく、などの仕組み、ルール作りが必要ではないかと思います。
※もしすでにこういった仕組みは当然ある、という状況でしたら申し訳ありません。

難しいのがフリーで活動している芸能人の方ですね。
これはあくまで私見ですが、芸能事務所が共同基金などを立ち上げ、産業医、カウンセラー、弁護士などが所属するケア専門会社を立ち上げるなども良いのではないかと思います。

カウンセラーに求められること?

どの領域でもカウンセラーとして活動する時には、その領域ごとに求められることがあります。
私は中学、高校のスクールカウンセラーとして学校臨床、企業の外部カウンセラーとして産業臨床を行っています。
カウンセラーとして面接での発揮する力は共通ですが、例えば産業領域ですと、企業の就業規則への理解や、組織とはどのような力学で構成されているかの理解が必要であり、それを面接場面で活用していく必要があります。
芸能界は産業領域ではあるものの、独特の商習慣、文化をもつ世界です。
そういった理解なくしてカウンセリングを実施するのは困難ですし、良い結果にも結び付きません。
私がお伺いした芸能界での必要な理解の一部をご紹介すると、
・「カウンセリングを受けている」ということ自体が、仕事が減少する可能性がある(企業より個人が守られない)
・タレント・役者の方は業界のヒエラルキーの中で一部を除いて最下層にいる
などがあります。
芸能界専用カウンセラー養成なども必要だと思いますが、どこまで活動しているのでしょうか。私の情報収集力の問題かもしれませんが、わかりませんでした。

まとめ

今回は私もあまり把握していな業界の話ですので、あくまで思ったことの吐露です。
誹謗中傷による不幸な出来事がなくなっていってほしいという想いをもって書いてみました。

コラムをお読みいただきありがとうございました。
普段は上記に書きましたとおり、学校臨床と産業臨床を行っております。
もしご興味をもってくださった学校の方、企業の方がおりましたら、お声がけください。

チェリッシュグロウ株式会社では研修及びカウンセリングサービスを提供していいます。ご興味がある方はこちらにお問い合わせください。

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note記事45:メンタル不調の休職者をゼロにする!企業が始める「3つの予防×4つのケア」の全体像①

2024年5月11日にnoteにてコラムを書きました。

リンクはこちらです。

https://note.com/cherishgrow/n/n58dcb53bb13a

noteに記載したコラム内容を再掲します。

 

「3つの予防」と「4つのケア」の掛け合わせで考える

42:組織に「休職する人」が出るのをゼロにしませんか?|森川友晴 (note.com)

こちらの記事から「メンタル不調による休職者をゼロにする!」ということで、記事を書いており、前回は「1次予防×ラインケア」ということで、具体的な対策として「長時間労働」を取り上げました。
次は「ハラスメント」の記事を書き始めていたのですが、ちょっと立ち止まり、この記事では「3つの予防」と「4つのケア」を企業はどのように設計していくと良いかを具体的に書いてみたいと思います。

早速ですが、全体像が下記です。

画像

私が人事部の方と話すときは上記の全体像を前提に話すことが多いです。
詳細に示していきますが、文章の量が多いので、今回はセルフケアと「3つの予防」の掛け合わせについて書いていきます。

セルフケアと「3つの予防」:1次予防

1次予防の目的は「健康の維持」です。そのためストレスに上手に対処できるように育成していくことが企業としては取り組んでいくことになります。
その時に大事なのは下記の4点だと考えます。

①レジリエンス研修の実施
②自己理解・問題解決力の向上を優先する
③認知的な成長は長期的に育てられると良い
④状況によってはメンタルヘルス研修の実施も要件等

レジリエンス研修とメンタルヘルス研修の定義としては

レジリエンス研修:ストレスフルな状況を乗り越える、ストレスがあっても回復しやすい状態になる
メンタルヘルス研修:ストレスとの付き合い方、自分の危険な兆候へ気づきやすくなったり、適切な休み方ができるようになる

レジリエンス研修、メンタルヘルス研修は実際にはどちらも内容が混じりながら実施されますし、名前だけが違う、ということもあります。
企業で実施する際は基礎知識として「メンタルヘルス研修」を実施する、成長するための研修として「レジリエンス研修」を実施する、といった文脈が多いように思います。

私のおすすめとしては研修としてはレジリエンス研修の実施をしながら、内容の中に「弱ったときにどうするか」などの危機管理としてメンタルヘルス研修の要素を入れるとよいのではないかと思います。
なぜそのほうが良いかというと、とても現実的な理由なのですが「その名前のほうが受けが良い」からです。
人事の方が経営陣に実施の許可を取るにしても「成長のため」「パフォーマンスアップのため」という名目が通りやすいですし、受講の対象者の方も「メンタルヘルス」という名称だと「自分は問題ない、大丈夫」といった受け取り方をした方は研修の受講動機が下がってしまいます。

ただ、例えば重篤な出来事があった(自殺者がでた、など)の場合は、その対策としては「レジリエンス」より「メンタルヘルス」を強調すると良いでしょう。レジリエンスは「逆境を乗り越える」といった文脈になりますので、うがった見方をしてしまうと「倒れたのは本人が乗り越える力がなかったからだ」などといった企業側のメッセージになりかねません。

レジリエンス研修を行う際の内容はまた別途記事をあげたいと思います。
レジリエンスの理論は数多くあり、どの理論をベースに研修を実施するのかによって、結果が変わってきます。
私は「自己理解+問題解決力」をレジリエンス研修としては重視しています。

セルフケアと「3つの予防」:2次予防

2次予防の目的は「気づく」です。セルフケアとしては、企業は社員一人一人が自分の状態にきづくこと、そして気づいた時にはすぐに対処にむけて行動できるように教育するとともに、本人が対処にむけて動いたときに適切な対応が準備できていることが大事になります。
その時に大事なのは下記の3点だと考えます。

①軽い悩み、課題でも相談できる状況をつくる
②ストレスチェックの目的を何度も伝え、実施率をあげる
③ストレスチェックの結果(高ストレス者)になったときに対処をすることを推奨する

①軽い悩み、課題でも相談できる状況をつくる

これは1次予防でも重要なのですが、この「軽い悩みでも」相談できる状況をつくることはとても大事です。
1次予防での意味合いと2次予防でも意味合いが変わるのですが、
1次予防では「軽い悩み」から相談できる相手がいることそのものが健康の維持に役立ちます。
人は相談できる相手がいることで安定性が増すからです。
1次予防の観点からすると、相談相手は誰でも良いです。親でも友達でも上司、同僚、人事総務部や社内の保健師、社外のカウンセラーなど。相手がいることが重要です。
しかしながら2次予防を考えると「軽い悩み」から保健師やカウンセラーといった専門家とつながっているのが効果的ではないかと私は考えています。
「軽い悩み」で相談をした方本人や、「軽い相談」で相談をした方の紹介で相談につながりやすいからです。2次予防のように「危ない」と本人が思っているか場合は、前述した上司では荷が重いということもあるからです。
なので「軽い悩み」から専門家に話すことができる環境を整えていくことが大事ではないかと思います。

②ストレスチェックの目的を何度も伝え、実施率をあげる
③ストレスチェックの結果(高ストレス者)になったときに対処することを推奨する

ストレスチェック制度とは厚生労働省によると以下の目的をもっています。

ストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることによって、労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止することを主な目的としたものです。平成27年12月に施行されました。

ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

まとめると
・セルフケアとして本人が自分でストレス状況にきづくこと
・そのことによってメンタル不調のリスクを軽減すること
・検査結果の集団分析により、ラインケアをして職場環境の改善に取り組むこと

になります。
私がストレスチェックを実施している担当者に何人かにお聞きしているところでは、毎回実施のたびに連絡内容に目的を入れているし、管理職にも実施を促すように伝えているところが多いです。
そう考えるとやれることはやっているのかな?とも思うのですが、それでも現場でストレスチェックを大事だと思っている声はあまり聞こえません。
人事の方の発信不足か、管理職の伝達不足か、本人の認識不足か、理由は様々ですが、まだまだ実施状況には改善の余地ありと言えます。

私としてはまずはメールなどの連絡で終わらすのではなく、たとえば簡単で良いので実施のお願いの動画を添付するとか、管理職から口頭で実施の意義・目的を毎回話してもらうなどしつこいくらいに伝えていってほしいと思います。

そしてもう一つの問題が「高ストレス者」になっても産業医面談など必要な対処を行わない、ということです。
ストレスチェックを行った結果に関しての重要性を認識していない、ということが多いのではないかと思います。
これは②ストレスチェックの目的を何度も伝え、実施率をあげるにつながりますが、実施+問題があれば面談など対処を行うことを伝え続けることが大事です。
私は以前、ストレスチェックをしたところ高ストレス者になったから、大丈夫だとは思うけれど・・・と言いながら面接を申し込んだ方と面談をしたときのことです。
実際に話をしてみると睡眠の状態などがあまり良くないことが明らかになり、結局上司の方とすり合わせて仕事量を減らすや担当を変えるなど業務調整をすることで、安定していったことがあります。本人はピンと来ていなくてもカウンセラーと話しながら、だんだんと自己理解が進んできたり、カウンセラーが危険性を判断して管理職や人事の方などに連絡を行うこともできます。
自分では大丈夫だと思っても対処はしてみる、こういった行動を推奨していってほしいと思います。
もし産業医面談へのハードルが高いようであれば、一度カウンセラーと話すことで自分の状態を整理し、産業医面談をするかどうかをカウンセラーと一緒に検討しても良いのではないかと思います。

セルフケアと「3つの予防」:3次予防

3次予防の目的は「復帰と継続」です。
3次予防はメンタルヘルス不調になり休職した方が復職することであり、以前のように働くことでできるようになることを目指すことです。
3次予防の時にセルフケアとして大事なのは下記2点です。

①継続的な専門家との面談
②余裕があれば「認知の変容」に取り組む

復職する、ということは休職していた人にとっても周囲にとっても大変な出来事です。
例えば職場の対人関係のトラブルなどで精神疾患になった方からすると、もし異動などをしていて、同じ職場ではなくても会社の建物を見るだけで、とても緊張が高まるかもしれません。それくらい「怖い」場所になっている可能性もあります。そういった怖い場所にもどる、ということはとても負担ですし、大変な出来事と言えます。
周囲の方にとっても、どのように接するのが良いのか、体調はどうなのか、など気に掛けることが多くあり、負担になることもあります。
このように負担に大きい復職するという行為を自分一人で乗り越える、というのではなく、カウンセラーなど専門家と一緒に話し合いながら進めていくことで少しこころの負担を減らしながら復職を乗り越えていくことが大事です。
それにくわえ、継続的に、ということも大事です。
うつ病などで休職した方が、回復をして復職をし、忙しくなってくると「大丈夫だろう」ということで薬を飲まなくなる、ということも起こります。また病院にも行かなくなる、ということもあります。
こうした人が数年後にまたうつ病になる・・・ということもあることです。
こういったことを防ぐためにも専門家と話しながら自分の状態をチェックすることや専門家と定期的に話すことで医師に無断に薬をやめてしまう、といったこともなくなっていきます。

②余裕があれば「認知の変容」に取り組む

これはある程度安定してきているなら、ということですが、認知(ものごとのとらえ方」を変えていきえるように本人に促すことも効果的です。
「認知の変容」では、たとえば
ある仕事の進め方を注意された!→私は役に立たない存在だ・・・
など
このように「行動」の注意に対して「自分の存在」が否定されていると受け止めてしまうのは、自信を無くさせ、気持ちを落ち込ませる捉え方です。
こういった自分を落ち込ませやすい物事の捉え方を変えていく、ということには効果があります。

ただ私が「余裕があれば」と書いたのは、認知の変容には時間もエネルギーもかかるからです。認知というのは生まれてからここまで育んできたものです。これを変えていく、ということは負荷が高い作業になります。
そのため「余裕があれば」ということが大事なのではないかと思います。

まとめ

今回の記事は「休職する人をゼロにしたい」と書いた記事と連動した内容となっています。
「3つの予防」と「4つのケア」の全体像をまとめました。
その中からセルフケア×「3つの予防」に関して書いています。
次回はラインケア×「3つの予防」について書くつもりです。

この記事を読んで「メンタル不調による休職をゼロにするために何かしたい!」と思った方がいましたらお声がけください。
一緒に考えていきましょう。
チェリッシュグロウ株式会社では研修及びカウンセリングサービスを提供していいます。ご興味がある方はこちらにお問い合わせください。

お問い合わせ – チェリッシュグロウ株式会社 (cherishgrow.jp)

またUdemyにて動画を販売しています。
ご興味があればそちらもご覧いただけると嬉しいです。

逆境に強くなる!レジリエンスを高めるための3つのステップ | Udemy

note記事44:メンタル不調の休職者をゼロにする! 一次予防×ラインケア「長時間労働対策は丁寧なマネジメントと交渉力」

2024年5月3日にnoteにてコラムを書きました。

リンクはこちらです。

https://note.com/cherishgrow/n/nb5c06088d58d

noteに記載したコラム内容を再掲します。

 

長時間労働はもう非常識になってきている⁈

昨年、ある企業の若手研修に登壇した時のことです。
大手企業の社会人2年目社員の研修だったのですが、研修の休憩中に社員同士の話が聞こえてきました。
「最近残業どう?多い?」
「うーん、そうだね。最近増えてきたよー。先月なんて月に10時間超えてさー」
「えーそうなんだ。結構多いね」

私:「え、月に10時間超えて、が多い?それって・・・」
と衝撃を受けました。もちろん大手企業であることやこの企業が特別に長時間勤務や残業管理に力を入れている可能性や1,2年目のうちは残業を少なくするようにしている、などの可能性はあります。
なので、このことがすべてであるとは思いません。
しかしながら「10時間超える」ことが残業が多いこと、と認識している若手社員がいる、ということが大事な点ではないかと思います。
10時間は大げさだとしても、40時間を多く感じる方は増えてくるでしょうし、80時間を超えるなどということはその前後の文脈など意味がなくなり、「ブラック企業だ!」と思われてしまう可能性も高いのではないでしょうか。

残業や長時間勤務を肯定するつもりは一切ないものの、若手時代の「やりきる経験」や「まずは行動量を増やす」ということの重要性や効果を実感してきた世代としては本当に残業などをなくし、働く時間(=経験の時間)を少なくしていって良いのか?といった感覚もないと言えば嘘になります。
しかしながら私は「もう量で成長するというやり方は無理ではないか」と思っています。
これからの世代への「働かせ方」としては「限られた時間で経験の質を高めてもらう」ことを前提にしていくのが大事ではないかと思います。

イメージして欲しいのは「長時間勤務をさせているマネジメントは兵糧のない軍隊を率いているのと同じ!」ということ

想像してみてください。

あなたは軍隊を率いています。敵は自分の軍よりも人数が多く精強です。
部下の状態を見ると皆、肩で息をしています。数日前から兵糧もなくなり、疲労も限界に見えます。
でもあなたは「相手を破らなければ!」と思っています。
そしてあなたは声を部下にかけます!
「さあ、ここが正念場だ!突撃ー‼️」

・・・どうにかこうにか目の前の敵を倒すことができました。
するとあなたはまた声を張り上げます。
「さあ、目の前の敵は倒した!今度はもっと強大な敵にぶつかっていくぞ!ついて来い!」

さて、どうでしょう。
もし皆さんがこの軍隊のリーダーではなく、この戦争のドラマを見ている視聴者であれば、このリーダーにどのような感想を持つでしょうか。
またもし皆さんがこの軍隊のリーダーではなく、この軍隊の部下の立場であれば、このリーダーをどう思うでしょうか。

このリーダーはとてもリーダーシップが優れているようにも見えます。
この極限下において、それでも部下が目の前の敵に突撃させることができるわけです。部下を引っ張る力があるからです。
一方で私はこのリーダーを評価したいとは思いません。
なぜなら戦略的な能力があまりにも低いからです。
戦いにおいて、まず自分の味方を敵よりも有利な状態に置くことが大事なのは言うまでもないと思います。
敵に勝てるように部下を訓練すること、また部下が自分の能力を十分発揮できるようにすること。これが大事ではないでしょうか。

さて、ちょっと過激に戦争、軍隊になぞらえて話を進めましたが、仕事でも同じような場面はないでしょうか。
敵=求められている成果と見ていくと理解しやすいかと思います。
私がここで強調したいのは、社員が長時間勤務をしている状態を放置しているということは、このようにギリギリの状態で戦うことを放置していることになるのではないか、ということです。
長時間勤務を行なっている状態、ということをこういった生々しいイメージで見直していくことが大事なのではないかと思うのです。

「長時間勤務対策」は丁寧なマネジメントと管理職の交渉力がカギ!

私が提唱したいのはマネジメントにおける
「定義」「把握」「判断・介入」です。
といっても当たり前のことばかりですので、マネジメントを行なっている方は「そりゃそうだ」と思うことも多いのではないでしょうか。
ただ長時間勤務が常態化している企業や組織は、この当たり前が抜けていることも多いのではないかと思い、記載してみます。

定義とは「仕事の量」と「仕事の難易度」の二つから「工数」を決めることです

なぜこの定義が重要かというと、管理職として部下に、ある仕事を依頼したときに、その仕事がどれくらいの時間で終わるのかがわからなければ、部下の仕事の見積もりを立てることができないからです。
具体的に単純化した例を出しますと、
私がAという研修のコンテンツを作成するとします。
ゼロから設計するので、難易度は高いです。
また研修のコンテンツとしてスライドを100枚くらい作成するとします。
例えば100枚のスライドを作る作業を1枚30分として合計50時間
難易度として設計でゼロから作るので情報収集や設計検討を含めて50時間
合わせて100時間として工数を見積もります。

※もちろんこんな単純には考えることができないので、実際に定義を作るときはもっと詳細に検証する必要があります。

これで5月中に作成するという期限を当てはめれば、この部下には100時間の仕事が与えられたことになります。

上司から仕事を与える形の業務であれば、このように定義づけることが重要です。
また自由度が高い仕事、例えば営業などで自分で開拓するようなケースであれば、こういった工数では定義づけられませんので、残業を規制して、その中で工夫するようにといった管理が必要になります。

あとこの「定義」は更新する必要があります。
仕組みを変えたり、システムで簡略化したりすることでA業務100時間を70時間で実行可能にしていきます。

「把握」とは部下の「総業務量」と「時間の使い方」を把握し、管理することです

「把握」するからこそ、管理職として部下への介入ができるようになるからです。
「定義」に関しては、管理職からの依頼する業務と本人の選択権の高い業務でやり方が変わりましたが、「把握」においては全ての業務で適用できます。
具体的に「把握」するのは部下の総業務量と時間の使い方です。
例えばXさんの5月1日の現状として総業務量が188時間
5月1日から5月31日までで稼働日数は21日
1日8時間として合計168時間が勤務時間とした場合は現時点で20時間の残業が必要になります。
この時点でXさんは普通に働くと残業があることになります。
ただこれだけでは把握したとは言えません。
1日の時間の使い方の把握です。
それをみてみるとXさんは今年から後輩の面倒を見るようになっていて、その時間として1日1時間、また他部署からの問い合わせ対応に、後輩からの質問対応に時間を使っています。
結局Xさんは1日のうち、65%しか本来の業務に時間が使えていません。
そうすると当然残業はもっと膨らみますので、40時間とか60時間などとなってしまうのです。こうやって管理職がアサインした仕事以外に仕事がある場合などもあり、結果そんなに無理な仕事を与えているわけではないはずなのに、部下が残業している、ということも起こります。

「判断・介入」とは把握した部下の状況から「介入する・しない」を判断し、実行することです

介入の仕方や部下への接し方などはシチュエーショナル・リーダーシップ理論などを参考にしてくださればと思いますが、
この記事では「与えている仕事」の問題か、「部下の能力と状態」の問題か、「部下の仕事のバランス」の問題かをみていくことをお勧めします。

・「与えている仕事」が多すぎるかどうかをみる。
「与えている仕事」が過剰であれば減らす介入を検討する

・「部下の能力と状態」
部下の能力が高ければ与えている仕事がある程度であれば短縮可能であるかどうか
部下の能力が低ければ与えている仕事がどれくらい超過しそうか(10時間の仕事を与えたが、13時間はかかりそうなど)
どちらにせよ部下の能力を超えていれば介入が必要になります。
また能力が高くても「状態が悪い」ということは発生します。
元々の能力は高いが、最近その能力を発揮できていない、ということです。
能力だけではなく能力の発揮状態も重要です。

・「部下の仕事のバランス」
能力ではなく、仕事のバランスが悪い、ということがあります。
1日の仕事のうち、他の人の手伝いをしている時間が多く自分の仕事には50%以下しか手をつけることができていない、という状態では問題です。
私はOJTトレーナー研修やメンター研修の登壇を多く行なっておりますが、受講生の話を聞いていると、自分の業務以外にメンターという役割を担っていて、でも自分の業務は減るわけではないから、残業して自分の業務を行うしかない、という話を聞くことがあります。
これは本人がどうにかしていく場面と上司が介入してく場面があります。

管理職の「顧客」「会社」「上司」「他部署」「部下」への交渉力が重要!

ここまで管理職がどのように部署運営をしていくと良いかを「定義」「把握」「判断・介入」という観点で見ていきました。
このような部署運営をしていくには管理職が各方面に対して交渉をする力が大事だと思います。
管理職が現在の部署の戦力を考えた時にできることを各方面と交渉をしていく、ということです。
「部長が今年は3000時間分のリソースのうちの部署に5000時間(目標の比喩として!)分の仕事をするように言ってきたから、みんなどうにかして頑張ろう!」というのは無茶です。
5000時間分を4000時間分に減らすのか、自部署のリソースを増やすのか、他部署のリソースを借りるのか、などなど。
こういった交渉を行なっていくことが「管理職にとっての交渉力の発揮」になるのではないかと思います。

ちなみに私は部下、メンバー一人一人のレジリエンスとしてもこの「交渉力」が大事だと思っています。
それはまたどこかで書きたいです。

まとめ

今回の記事では「休職する人をゼロにしたい」と書いた記事い連動した内容となっています。
一次予防×ラインケアとしてマネジメントの部署運営について書きました。
もっと部下との関わり方などもありますが、今回はここまでとしたいと思います。
また、実際には「とはいえ・・・」という各種状況があることを承知の上で書いています。まずは基本中の基本を書いてみました。

この記事を読んで「メンタル不調による休職をゼロにするために何かしたい!」と思った方がいましたらお声がけください。
一緒に考えていきましょう。
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note記事43:「メンタル不調による休職者が増えているのでレジリエンス研修をやってほしいんです」の間違い

2024年4月30日にnoteにてコラムを書きました。

リンクはこちらです。

https://note.com/cherishgrow/n/nebae3c89f31d

noteに記載したコラム内容を再掲します。

 

ゼロにする休職は「メンタル不調による休職者」のこと

本題の前にすこし前の記事との関連について書きます。
前回このような記事を書きました。
42:組織に「休職する人」が出るのをゼロにしませんか?

この記事では前回すこし言葉足らずだった内容の補足と、ではどうするとよいか?という実際に取り組むときのポイントについて書いていきます。

一言で休職といっても休職にも多くの種類があります。
主な休職理由としては
・私傷病休職
→業務や通勤以外の原因による病気やケガを理由とする休職のこと

・私傷病以外の休職
→自己都合休職・留学休職・公職就任休職・自己欠勤休職・起訴休職・組合専業休職

ちなみに業務や通勤による原因による病気やケガは「労災」になります。
さて、休職といってもこのようにいくつか種類がありますが、
私が主張しているのは
「病気やケガを理由とする休職」のことです。あまり細かい表現をするとお伝えしたいことがブレてしまうので割愛しますが、「病気やケガを理由とする休職」は労災も私傷病休職も含めるとします。
また病気やケガとありますが、私はカウンセラーですので、「メンタル不調」に絞らせていただきます。

「最近、メンタル不調で休職する人が増えているので、逆境に強くなるレジリエンス研修をやってほしいんです」と言われたときは・・・

私のところにはこのような依頼を頂戴することが多くあります。
このようなときに私は
「ぜひ詳しく事情を聞かせてください。実はメンタル不調が増えているときにレジリエンス研修を実施することは却って状況を悪化させることがあるんです・・・」と伝えます。
そこで
「そうなんですね。それはどういうことですか?」と言ってくださって、詳しく話をさせていただける場合と、あまり興味をもってくださらず「レジリエンス研修を実施できるかどうか」だけを知りたい方がいます。
まあ、研修を売ることだけを考えたら「レジリエンス研修ですね!こういうのがあります!」が良いかもしれませんが、やはり「こころの専門家でありたい」と思っているので、対象者に悪影響が出る可能性のあるものを実行するわけにはいかないのです。
そういったわけで、私はレジリエンス研修の依頼を受けたときは上記のようなやり取りをできるだけ丁寧に行うようにしています。

基礎情報として知っておくと良い「3つの予防と4つのケア」

さて、それでは「メンタル不調による休職者が増えたとき」にはどこから考えると良いのでしょうか。
まずは基礎情報としてメンタルヘルスには「3つの予防」と「4つのケア」を押さえておきます。
「3つの予防」と「4つのケア」とはメンタルヘルス対策の2つの柱です。
目的による分類として「3つの予防」があり、
誰が実施するかという実施主体者による分類が「4つのケア」です。

「3つの予防」とは、
一次予防
・現在健康な人がそのまま健康が維持、増進ができるようにメンタル不調にならないための取り組みのことです。

二次予防
・精神疾患などになるかもしれないハイリスク者や、発症しているのではないかと思われる人を早期に発見し、早期発見による重症化防止を行う取り組みのことです。

三次予防
・精神疾患などにより休職など状況に陥った人の職場復帰を支援し、再発防止、機能低下防止を行う取り組みのことです。

「4つのケア」とは
①セルフケア
・労働者自ら行うケアのことです。
労働者が自分でストレスの対処法についての知識や技術を習得したり、自分が不調になりかけていることに気付けるようになることを指します。
レジリエンス研修はこのセルフケアのうちの一つの方法です。

②ラインケア
・部下を持つ管理監督者が行うケアのことです。
管理監督者が働く環境調整を行ったり、部下の不調を素早く把握し、対処できるようになることを指します。
※企業によっては管理職の方にレジリエンス研修を受講してもらい、自分のレジリエンスを高めることと、部下のレジリエンスを高めるための方法を学ぶ、ということをしています。

③事業場内の産業保健スタッフによるケア
・自社内にいる産業医や保健師、カウンセラーなどによるケアのことです。
こういった産業保健スタッフが人事総務部などと連携しながらセルフケアやラインケアの支援や社外の専門家との連携などを行います。
また労働者の個別の相談を受け、助言や保健指導を行います。

④事業場外資源によるケア
・社外の専門家によるケアのことです。
具体的には病院や従業員支援プログラム(EAP)などを指します。
診断やカウンセリング、職場復帰時の支援などを行います。
社内では相談しづらい、といった方にとっては外部に相談先があることはとても有効だと思います。

「3つの予防」と「4つのケア」を組み合わせて現状を把握すること

ここまで述べてきた「3つの予防」と「4つのケア」を使って現状把握を行います。
具体的には「3つの予防」それぞれに「4つのケア」がどのように機能しているかを整理していくことから始めることをお薦めします。

例えば
・1次予防とセルフケアの組み合わせとして・・・
①セルフケアとして労働者個人個人が、自分の働き方を自律的に扱うことができているかどうか。また各種ストレスに適応できるようになっているか、ということです。
もしストレスに脆弱な状態があればメンタルヘルス研修などによって、自分の働き方や休み方を訓練する必要があります。
また健全な状態が保たれているのであれば、より強いストレス(逆境)を乗り越えるレジリエンス研修などが有効です。

このようにレジリエンスは「3つの予防」のうちの一次予防、そして「4つのケア」のうちのセルフケアにあたる、ということになります。

このようにして
・一次予防とラインケアの組み合わせ
・・・
とすべての組み合わせを検証していきます。

こういった検証を経たうえで「一次予防とセルフケアの組み合わせ」の取り組みの中で強い逆境を乗り越える力を高めることが有効である、という場合に「レジリエンス研修」を実施するという判断が大事なのです。

一次予防に対して、「4つのケア」のうち、セルフケア以外がそろっていないから、セルフケアを高めたい、は危ないです

わかりづらい表現で申し訳ありません。
これは一次予防に対して、ラインケアとして管理職のマネジメントができていない、事業内も事業外のケアもそろえることができないから、その3つのケアがなくても大丈夫なようにセルフケアの強化としてレジリエンス研修を行ってくれ、ということを指します。

具体的な内容で書いてみると上記の表現のヤバさがわかるかと思います。
「管理職のハラスメントをなくすことが難しいから、ハラスメントを受けても大丈夫な社員になってほしいからレジリエンス研修を行ってもらえないか?」

いかがでしょうか。
ヤバさが伝わりますでしょうか。

「社員側に我慢させればいいのだ」と思う方は居るのですが、そんなに多くないと思います。
実際にはラインケアも事業内も事業外もどうにかしたいと思っているけれど、すぐにはどうしても手が出せないから、手が出せる場所としてセルフケアを強化したい、もしくは今回書いているメンタルヘルス対策の基本を理解しておらず、「労働者のメンタル不調が多い」→「レジリエンス研修で労働者に強くなってもらおう」という方が大半ではないかと思います。

しかしながら結果としては「4つのケア」のうち3つのケアをおろそかにし、セルフケアの強化として「レジリエンス研修」を行うということは同じです。
このようなことをしてしまうと、レジリエンス研修を受講しても、結局ストレス量が変わらなければ、メンタル不調者は出るでしょうし、研修を受講した受講生に「結局会社は、我慢しろって言いたいんだよな・・・」と受け取られてしまうことが起こりえます。

まとめ

今回の記事では前回「休職する人をゼロにしたい」と書いた記事の補足と、具体的にメンタル不調による休職者をゼロにしようとしたときにどこから手を付けていけばよいかについて書きました。
次回以降に「3つの予防と4つのケアの組み合わせ」についてより詳しく書きたいと思います。

この記事を読んで自社の状況を検証したいと思った方がいましたらお声がけください。一緒にどこから手を付ければよいか検討していきます。
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今回の記事に出てきたレジリエンスについての動画もありますので、
ご興味がありましたらご覧いただけますとうれしいです。

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note記事42:組織に「休職する人」が出るのをゼロにしませんか?

2024年1月30日にnoteにてコラムを書きました。

リンクはこちらです。

https://note.com/cherishgrow/n/na278d0c76536

noteに記載したコラム内容を再掲します。

 

1年の振り返りをしていて(感情的に)思ったこと

ちょっと古くなりますが、2024年の1月2日に少し時間をとって、2023年の振り返りをしていました。
私は振り返りなどをしている時に、急にいろんな想念が湧き起こったりすることが多いのですが、この時も急にこう思いました。

「なんで社員が倒れなければいけないんだろう・・・」
もちろんカウンセラーとして、メンタルヘルスとは何か、などは理解していますから、何がどうなって人が潰れていってしまう、ということが起きるのはわかっています。
ここではそういう「なぜそういうことが起こるのか?」といった理論とかではなく、もっと感情的なものとして「理不尽さ」とでもいうようなことを感じました。

まだうまく言葉にできませんが、
「理屈に合わない」といった気持ちです。

会社はポジティブな目的で存在している。社員はポジティブな目的で入社をしている(はず)

会社はなぜ存在するのか?
松下幸之助氏は経営者は「社会から必要とされているからこそ存在できている」ことを重視していたと言われています。
言い換えれば「社会に必要なものを提供するために存在している」と言えます。
すっごく当たり前なのですが、
「会社の目的はポジティな目的である」ということが言えます。
何かネガティブな影響を与える会社は存在を否定されるとも言えますよね。

またなぜ人は働こうとするのでしょうか。
人が働く目的は「お金が必要」とか「やりがい」とか「成長のため」などなど、さまざまであろうと思います。
働きたくないけど「お金のために仕方なく」という方もいるでしょう。
働く、働かざるを得ない状況はあるものの「何かを得るため」ということは同じであろうと思うのです。
これをポジティブ、と括るのは乱暴だと思いますが、「何か自分にとって良いもの(お金ややりがいなど)を得る」ということは言えるのではないでしょうか。

ポジティブな目的とポジティブな目的がなぜネガティブな結果を産むのか?

もう一度書きますが、上記の問いの答えはある程度わかっているつもりです。
一つには会社の目的を優先して個人の目的を下位に置くために、個人としては不満足な結果は起きうる、などです。

でもいい加減、そういうのやめませんか?と思うのです。

例えば、営業成績をだすため、納期を守るためにみんなで頑張っていたら、気づいたらメンバーの1人が倒れていた、というのは、安全性の担保がない組織設計があるということです。
長時間勤務、感情労働、ハラスメントなど、社員が心身の健康を害してしまう要因は数多く明らかになっているのに、なかなか無くせない状況など。

成果を犠牲にするのか?ということではない結論を探して

このようなことを書いていると「成果を出すために無理するのはしょうがない」「成長には厳しい環境も必要だ」といった意見も出るだろうなぁと思います。
それはその通りですが、成果も出すための無理も、成長のための厳しい環境も「倒れるほど」のレベルにするのは本当に必要なのか、と思うのです。

などなど思いの丈を書いてみました。
また多くの企業で研修登壇していたり、カウンセラーとして関わっている人間、また実際に企業の中でマネジメントを行ったことがある人間として、これまで書いていることが、「理想論」であり、相当難しいことは承知しています。
その上で
「組織として成果を出すこと」「個人が健康で幸福感を持っていること」をいかに両立できるかをこれまで以上に考えたいと思っています。

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①プロのカウンセラーが実践している!「マネジメントに使える心理療法」
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note記事41:管理職・リーダーのスキルとして、見落としがちな「部分のマネジメント」について

2023年11月17日にnoteにてコラムを書きました。

リンクはこちらです。

https://note.com/cherishgrow/n/nc472f0a90e66

noteに記載したコラム内容を再掲します。

 

「全体のマネジメント」と「部分のマネジメント」

今回のコラムは、自分の考えをまとめるために書いています。
そのため、認識誤認や間違った考えもあるかもしれません。
一つの考えとして受け止めてくださると嬉しいです。

「全体のマネジメント」「部分のマネジメント」という表現は私が勝手に言っていますので、初めて見た!という方は正しい感覚です。
似たようなことを仰っている方や、似たようなコンセプトもあるかもしれませんが、私は知らないので上記の表現を使ってみます。
またこの2つの概念は、実は思いついたばかりでして・・・
フワフワしているかもしれません・・・

「全体のマネジメント」とは

「全体のマネジメント」とは、組織全体に関わるというマネジメントという意味と、組織全体を対象にしたマネジメントという意味で使っています。
具体的には
ビジョン策定、戦略策定とか組織全体に影響を与える内容です。
またコーチングとかリーダーシップ、部下育成、心理的安全性などは組織全体を対象にしている、と言えます。
多分、言葉の違和感としてはコーチングとかは「個人に対応するための手法」ですので「部分のマネジメント」ではないか、という感覚を受け取る方もいらっしゃると思います。
私としては「組織のメンバー全員にコーチングを行っていこう」という使い方をする場合は「全体のマネジメント」ではないかと思っています。
一方、組織メンバー全員にはコーチングを基本的に使っていくが、精神疾患によって休職をし、復職したばかりのAさんには「カウンセリング的な支援を行っていこう」ということは「部分のマネジメント」です。

「部分のマネジメント」とは

「部分のマネジメント」とは「全体のマネジメント」が実行されている中で行われる個人に対する個別的な対応のことです。
例えば上記にあるように、管理職が組織全体に対してコーチングの考え方、技術を使って「全体のマネジメント」を行っている中で、復職したばかりのAさんには「全体のマネジメント」とは別の方法を使って関わること、全体への方法とは別に個別的な対応をすることが「部分のマネジメント」です。

部分のマネジメントは積極的に扱われていない・・・

現在、私は大きな書店の併設カフェでこのコラムを書いているのですが、本棚を見ると「全体のマネジメント」の本が大半を占めています。
例えば「問題社員の扱い方」のようなタイトルは「部分のマネジメント」にあたりますが、マネジメントの本のタイトルの中では数%もありませんでした。

でも「部分のマネジメント」でつまづきませんか?

どうでしょうか。
例えば管理職がコーチングを学んだとします。
それを10人いる部下に使っていこうとします。
そうすると大体は大きな問題がなくやることができますが、2人とか3人とか、コーチングを行おうとすると全く逆効果になる場合があります。
コーチングの本には「コーチングは使いづらい人がいる」と書いてあることが多いので、それはそれで良いのですが(コーチングが悪いということではない)、じゃあ、その2人、3人には何をすると良いのでしょうか。

他にも組織開発を新たに行った場合とか心理的安全性を組織に浸透させようという場合なども同様で、「全体のマネジメント」を行った時に起こる個別的な問題を解決するための「部分のマネジメント」にフォーカスを当てても良いのではないかと思うのです。
私は研修で管理職研修を年間でも数多く登壇させていただきますが、「全体のマネジメント」を実行する際に「部分のマネジメント」がうまく対応できないことが、結局「全体のマネジメント」の阻害要因になるのではないかと思うことがあります。
私が登壇する際には、そういったことも含めてお伝えするようにしています。

いかがでしょうか。
今回はまだ検討中の考えをまとめながらコラムを書いてみました。
ちょっとでも役に立つ内容になれば嬉しいです。

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note記事40:「組織セラピスト」の提案〜産業領域で活躍するカウンセラーができること〜

「組織セラピスト」とは

「組織セラピスト」は造語です。

元々はエドガー・H・シャイン先生の書籍で「組織セラピー 組織感情への臨床アプローチ」があり、この本は5つの心理療法の流派のセラピストと共に、組織の問題を各セラピストの療法によって解決を試みています。

ここから「組織の問題を心理療法を使って解決をする人」という意味で、私は「組織セラピスト」という表現を使っています。

私自身はブリーフセラピーという心理療法を使って日々カウンセリングを行なっていますが、同時に企業の講師、組織コンサルタントとして活動しており、その際にはブリーフセラピーを組織の問題解決に使っています。
ちなみに以前書いた記事で企業の研修企画を心理療法でやってみるとどうなるかについて書いています。

このように心理療法を組織の課題解決などに使っていくと、これまでと違う視点で問題解決への取り組み方ができるのではないかと思うのです。

実は以前は「組織セラピスト」という言葉は、

「働く人が『心理学』や『心理療法』についての知見を高め、マネジメントや仕事に活用できる状態

という定義で使っていました。
これはこれで大事だと思っているのですが、もう一つの意味として今回は、

「産業領域のカウンセラーが『個人』のカウンセリングのみならず、『組織
』のカウンセリングができるようになること」

として提案してみたいと思います。

産業領域のカウンセラーがもっと組織課題に取り組めると良いと思うこと

企業のカウンセラーというと、どのような人や役割を想像しますか?

多分、「従業員の悩みを聞く」ということが主なイメージだと思います。
もちろんそれはそうなんですが、もっとこんな場面でカウンセラーが活躍できると良いと思いませんでしょうか。

※ちなみにEAPサービスを提供している会社で、これから書くことを謳っている会社はあります。しかしながら実際にはこのような場面ではまだまだ使われていないことが多いのではないかと私は思っています。

①管理職に対して

・部下マネジメントについての話し相手として

→ある部下の対応で困っている(精神疾患などではなく「年上の部下」とか一般的な問題)場合に自分の頭を整理するための壁打ち相手としてカウンセラーとして関わる

→休職明けの部下への対応に困っている場合など。産業医や人事部などとは話していて方針はわかっているものの、どんな顔してあえば良いかとか、他の部下の不満などにどう対応するかなど、産業医や人事部に聞きづらい内容などの時にカウンセラーとして関わる

→自分では理解しづらい部下など「発達障害じゃないか?」などと思ったが、はっきりとはわからないなど、相談することが妥当かどうかもわからない時にカウンセラーとして関わる

→ハラスメントなどの問題の時など、自分がやっている行為がハラスメントかどうか判断がしづらいとか、部下が他の部下にハラスメントをしているように見えるが、判断がわからないや、どう関わればよいかわからないなどの時にカウンセラーとして関わる

重要!

上記の内容で大事な考え方は「どこまで管理職が知見を高めると良いのか?」といった議論が必要です。
復職対応とかハラスメントとか発達障害の部下の対応や、精神疾患や障害を持つ方への合理的配慮など、管理職が全てを把握するのではなく、管理職がすぐに確認できたり、一緒に考えることができる体制を作った方が良いのではないかと私は思っています。
管理職が全てをわかっていなくても、各種専門家が管理職をフォローできる状態を作ることが今後の組織運営には大事なことなのではないでしょうか

②人事部や総務部に対して

人事や総務業務の一部に専門家として関わる

→会社の施策の進め方に悩んでいる場合など
メンタルヘルス体制の構築などはもちろんのこと、他にも女性活躍推進や男性育休、ダイバーシティなどの施策を進める際にどのような順番で進めると良いのか、社員への訴求はどのようにすると良いのかなど専門家としての知見を提示したり、人事総務の方が自分の考えを整理するためにカウンセラーとして関わる

→研修や教育体系の構築の場合など
特にコミュニケーション系の研修などは、心理学や心理療法の知見が数多く使用されている。一方実はちょっと心理学や心理療法の知見を間違って使っている場合や、切り取りして使うために問題がある使い方になっている場合がある。そういった時に内容の良し悪しや、研修の設計などにカウンセラーとして関わる

→OJTトレーナーやメンターなどが自分の担当社員のことで悩んでいる時など
新入社員の担当をしているOJTトレーナーが、新入社員の状態で心配なことがある時に人事部に相談をする時があるが、人事部の方でも自信を持って判断できない時などに人事部がカウンセラーに相談することや、OJTトレーナーが直接カウンセラーに相談できるようにするなど、一次相談、二次相談先として関わる

→休職・復職対応、合理的配慮などの判断を行う場合など
管理職同様、産業医に相談することがしづらい時や、相談しても判断がつきづらい時、どう相談して良いかわからない時などにカウンセラーが関わる

重要!その2

ここでも大事な考え方は「どこまで人事部、総務部のメンバーが知見を高めると良いのか?」といった議論が必要です。
カウンセラーでなくても産業医でも良いと思うのですが、人事部や総務部の方は、もっと専門家を積極的に頼っていくことができると良いのではないかと思っています。
「人の問題」に関する外部リソースの使い方として、もっと産業領域のカウンセラーはできることが多いと思うのですが、私が知っている限りですが、まだまだカウンセラーは「社員の悩みを聞く人」としての役割に留まっているように思います。

産業領域で活躍するカウンセラーが「個人」と「組織」に関われること

いかがでしょうか。
ここまでもっとできること、について書いてきました。
私は40代になってからカウンセラーを目指し、カウンセラーとしての仕事を始めた人間です。
それからカウンセラーの方と会うたび、また様々な心理療法を学ぶたびに、「こういった方が企業に関わると、もっと組織が良くなるのではないか」
「こういった知見を企業が取り入れると、もっと組織が良くなるのではないか」
といった思いを何度もしました。

カウンセラーはもっともっと活躍できる人材だし活用できるぞ!といった想いのコラムです。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
少しでも共感してくださる方がいると嬉しいです。
それでは次回もよろしくお願いします。

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note記事39:日本ブリーフセラピー協会学術会議に参加して

日本ブリーフセラピー協会の第15回学術会議に参加してきました

今年の開催は京都です。
また本格的に対面開催に舵をきっており、対面でのワークショップや研究発表が行われました。
学会テーマは「らしくないブリーフセラピー~治療的現実の多様性~」です。そのテーマ通り多様な内容で研究発表やワークショップがありました。

2023年9月13日に
「36:企業で働く人に日本ブリーフセラピー協会の学術会議をお薦めしたい
理由」という記事を書きました。
この記事とあわせてお読みいただけるとありがたいです。

36:企業で働く人に日本ブリーフセラピー協会の学術会議をお薦めしたい理由|森川友晴 (note.com)

今回は参加しての感想を大きく2点にわけて書いてみます。

まず私が参加したり座長をしているのがすごいことなんです

これ、私がすごい!と言いたいわけではありません。
私は言葉は悪いですが「変なルートの人」です。
もともと外食産業のモスバーガーで店長から人事部、教育部と従事して、研修会社に転職しマネージャー職として研修を開発しながら講師業を行い、専門はコーチング、という人間です。
26歳ごろに産業カウンセラー30歳でキャリアコンサルタントの資格は取得していましたが、特に相談業務を行っていたわけではありません。
そのような人間が心理療法の学会に参加し、研究発表の座長をやっている、というのはなかなかないのではないかと思います。
これは私にやってみないかと声をかけてくださった先生がまず「どのような立場、資格を持っているか」ではなく私という人間を見てくださったからだろうと思います。
また協会の方々も私という人間に色眼鏡なく接してくださり、信頼をよせてくださっていることで私という「変なルートの人」が千葉支部の支部長や学会の座長という役割をいただくことができているのです。

一応補足ですが、他の学術団体が色眼鏡で見る人が多いということを言いたいのではなく、普通は私のような人を見るときは色眼鏡があって当然だ、という前提です。
色眼鏡で見る方が普通だし、私のような立場や経歴の人間を受け入れることが難しいことが普通の反応だと思っています。

こういった環境のおかげで私は本当にたくさんの貴重な経験をさせていただいていると、学会に参加するたびに思うのです。

刺激を受けて思うこと

学会の詳細な中身は書きませんが、基調講演や研究発表、ワークショップを二日間でたっぷりと学びました。

毎回思うのですが、
学ぶことが多くて良かった!ということが一番大きい感想です。
研究発表である方のケースを聞くのですが、
「うー!そこで自分はそのような対応ができないなぁ」と思ったり、
「そうか、こういった理論を面接に当てはめるとこうなるのか!」といった発見があります。
私はストレングスファインダーで2番目の強みが「回復志向」ですので、
自分に足りない、とか、もっと改善しなきゃといったことが大好物です。
足りないこと、知らないこと、ダメなところ、直すところが見つかるとワクワクします。
カウンセラーの世界に飛び込んで11年経ちました。
100点中60点くらいは来たのかな?なんて思ったりしたりしても、
こういった経験で「あ、100点ではなく1000点中60点くらいだった!」と
思い知らされます。
この感覚が大好きです。

またもう一つ、刺激を受けると全く違う思いつきが生まれます。
例えば、あるケースについて真剣に聞いているときに、そのケースの内容とは全く違うのに「あ、あの相談にこんな対応してみると良いかも」とか、
「あ、研修内容に○○という内容を入れるともっと深みが増すかも!」とかが思いつくのです。
私はそんな時に緑色のペンでノートの端に書いていくことにしています。
今回も緑色のメモがたくさん書いてあります。

2日間集中して刺激を受ける、というのは本当に良い体験です。

このように毎年学会に参加すると感謝の気持ちが大きくなったり、足りない感をたっぷり感じたり、新しいアイデアが生まれたりしています。
来年は新潟です。
今から楽しみです。

ちなみにまだオンラインのコンテンツは10月末までみることができます。
ご興味が湧いた方はぜひ!

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note記事38:初めてのコンテンツ販売、の振り返りです②

2023年10月3日にnoteにてコラムを書きました。

リンクはこちらです。

https://note.com/cherishgrow/n/n16cbf28a54fb

noteに記載したコラム内容を再掲します。

なぜUdemyを選んだのか?

今回オンラインコンテンツを販売するにあたって、なぜUdemyにしたのか、ということには2つの選択で考えました。

①オンラインコンテンツを販売するか、オンラインスクールを運営するか
②販売を自力でやるか他力で行うか

①に関しては順番の話で、オンラインコンテンツの販売のあとはオンラインスクールの運営を始めたいと思っています。
初めにオンラインコンテンツから始めるのは、すでに持っているコンテンツがオンラインスクールとして何回かに分けてお伝えするよりも1回の受講するのに適していたこと、クイックスタートを切ることができるからです。

②に関しては迷わず自力ではなく、Udemyのようにコンテンツの拡販をしてくれるオンラインプラットフォームを選びました。
これはなぜかというと、2つ理由がありまして、一つ目は自分に自力で販売するだけのネームバリューやファンがいる状態ではない、ということと、二つ目は今後もそれは難しいのではないかという見込みからです。
二つ目の理由は、自分でやってみて大きな検討事項だと思ったので、この後にまとめて書きたいと思います。

以上①と②の理由が今回Udemyでの販売をした理由です。

カウンセラーがマーケティング戦略を展開することの難しさ

前述した通り、私は自分にネームバリューがないことやファンがいないこと、また今後も難しいのではないかと思うことを書きました。

カウンセラーが自分で自分のことをアピールする難しさ、ということです。

カウンセラーで例えば、私は1万人のクライアントを幸せにしてきました、とアピールすることはできるかと思います。しかしながらそれはカウンセラーの態度として「危うい」です。なぜかというと私の考えるカウンセラーはあくまでクライアントの人生にとって一部分登場しただけの「脇役」です。また良くなった、解決した、どうにかやっていけるようになったのはクライアントであってカウンセラーではありません。
自分が○○人を改善してきた、幸せにした、解決したというのはカウンセラーが「してあげた」文章です。
私にはとてもそういったアピールはできそうにありません。

「こういった事例を対応した」というアピールならどうでしょうか。
これはあくまで事例を紹介しているので、カウンセラーがしてあげた、ということになりません。
しかしこれはカウンセラーとして「守秘義務」に違反します。
どのような時であれ、もし自分のクライアントが「あ、これ私の相談内容かも」などと思ってしまうことはしてはいけません。
こういったことから、事例を紹介することで自分の実績をアピールすることも難しいのです。

また有名になるとします。
有名になることは一概に悪いことではありませんが、やはりこれも相当な匙加減が必要になります。
有名になることで相談に来る人が最初からイメージを持ってしまうことがあるからです。もちろんそういったイメージが「期待」になることは相談に効果的に働くことがありますから、うまく「期待」を結果に繋げることができると良いだろうと思います。
とはいえ、なかなか難しいことであることは変わりありません。

このようにカウンセラーがコンテンツを大きい市場で売っていく、ということには難しさがあるんだ、ということは改めて考えていかなければいけないと思いました。

コンテンツ販売のやれたこと、改善すべきこと

〈やれたこと〉

・最も伝えたい内容を兎にも角にも形にできたこと

これはとても良かったです。
自分が最も熱を持って話せることを最初に作る、ということはオンラインコンテンツを作る、という大作業へのモチベーションとして大きく機能しました。

・オンライン動画の作り方がわかったこと

元々研修会社でコンテンツ開発の仕事をしていたので、いろいろな研修のコンテンツを作ることはそんなに難しくないのですが、今回は動画を作るということで、光の使い方や音声、OBSなどのソフト、編集作業など一通り経験できました。
1回作ることができたのでこれからは相当時間短縮できそうです。

〈改善すべきこと〉

・ユーザー目線が足りなかったこと

これにつきます。
考えたのは考えたのですが、どちらかというと「伝えたいこと」が先にあって、「誰かの困りごと」を改善することが足りなかったと思います。
また一発目のコンテンツとしては内容が専門的すぎるとも思います。
もっと多くの方が興味を持ちやすい内容であることや、専門的であるならもっと「何に対して効果的か」をわかりやすく記述していくことが大事であると思いました。

ここまでがやれたこと、改善すべきことです。
次回にもより良いコンテンツにしていくために、もっともっとユーザー目線でコンテンツを作っていきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
少しでもお役に立つ内容であれば嬉しいです。
次回もお読みいただければ嬉しいです。

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