2024年7月6日にnoteにてコラムを書きました。
リンクはこちらです。
https://note.com/cherishgrow/n/ncbf6bf14be31
noteに記載したコラム内容を再掲します。
「ハラスメント」の問題はもう今年中に解決しよう!
ハラスメントという言葉は1970年代にアメリカでセクシャル・ハラスメントという言葉が登場し、1980年代から日本でもセクシャル・ハラスメントが社会問題化し始め、1989年(平成元年)に日本で初めてセクシャル・ハラスメントを問う裁判が行われました(この裁判は1992年に結審し、被害者である女性の全面勝訴となっています)。
また「パワハラ」という言葉は、日本の株式会社クレオ・シー・キューブが名付けた2001年に誕生した和製英語です。
パワハラ問題の顕在化にともなって、厚生労働省が2011年に「職場のいじめ・嫌がらせに関する円卓会議ワーキング・グループ」を発足させ、パワハラ問題への取り組みのあり方の議論を開始しました。
そして2019年に国連によって、職場でのセクハラ・パワハラなどのハラスメント行為を禁止するという初の国際労働機関条約が発行されました。
こういった流れを受けて2019年のパワハラ防止法成立につながっています。
こう振り返ると、すでにハラスメントという言葉が日本で問題として上がってから40年は経っているわけです。
根絶できずに長くかかっているということは、それだけ難しい問題だ、ということは承知しているのですが、それでも「もうそろそろ解決していきたい」と思うのです。
ハラスメントとメンタル不調の関係
ハラスメントが存在する組織におけるメンタル不調の関係はどのようなものでしょうか。
このことに関しては実感としても「関係があるだろう」と思う方が多いのではないでしょうか。
厚生労働省が3年に一度調査を実施している「職場のハラスメントに関する実態調査」から見ていきます。
この調査の中から
「勤務先の取り組みによる職場の変化(対象:勤務先がハラスメント予防・解決に取り組んでいる、かつ「その他」以外と回答した者)」として、ハラスメント予防・解決の取り組みによって職場がこの3年間でどのように変化しているのかを、「積極的に取り組んでいる」「取り組んでいる」「あまり取り組んでいない」に分類しています。
職場の変化は下記の項目です。
・職場の生産性
・あなた自身の働きやすさ
・同じ職場の人の働きやすさ
・あなた自身の業務の負荷
・同じ職場の他の人の業務の負荷
・部下への指導のしやすさ
・上司/部下とのコミュニケーション(話しやすさ/接しやすさ)
・体調不良などで休む人の人数
この中から一番最後の「体調不良などで休む人の人数」の結果を提示します。
「体調不良などで休む人の人数」
①「改善された」②変わらない③悪化している④わからないの項目で回答
・「積極的に取り組んでいる」
①27.2 ②49.0 ③3.9 ④19.9
・「取り組んでいる」
①11.6 ②63.0 ③6.8 ④18.6
・「あまり取り組んでいない」
①5.6 ②59.5 ③21.4 ④13.6
※全て%です。
いかがでしょうか。
特に「あまり取り組んでいない」と答えた人の中で「体調不良などで休む人の人数」が「悪化した」が21.4%というのは衝撃的です。
ハラスメントの問題を解決していくことはメンタル不調の休職者をゼロにしていくためには、とても重要な項目であるといえます。
ハラスメントは研修だけでは防止できない!
前述の厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査」では
ハラスメントに対する企業の8つの取り組みをあげて調査しています。
①事業主によるハラスメント対策への取り組み姿勢を明確に示す発信
②経営幹部がハラスメントに対する関心と理解を深め、労働者等に対する言動に必要な注意を払うための周知・啓発
③ハラスメントの内容、職場におけるハラスメントをなくす旨の方針の明確化と周知・啓発
④行為者に厳正に対処する旨の方針・対処の内容の就業規則等への規定と周知・啓発
⑤相談窓口の設置と周知
⑥相談窓口担当者が相談内容や状況に応じて適切に対応できるようにするための対応
⑦相談者・行為者のプライバシー保護のための措置の実施と周知
⑧相談したいこと、事実関係の確認に協力したことを等を理由として不利益取り扱いをされない旨の定めと周知・啓発
①から④までは経営幹部や管理職、社員全員に対してのルールづくりとその周知に当たります。
また⑤から⑧はハラスメントが起きた時にどう対応するのか、対応する際に気をつけておくべきことを定めていることになります。
私自身は主に②、③、④で関わることが多いです。周知の役割としてのハラスメント研修の実施ですね。
研修のご依頼を受けることはとても嬉しいのですが、いつも思うこととしては「ハラスメント防止の研修だけではハラスメントはなくならないのではないか」ということです。
ハラスメントは2つのインプットと構造の解消の両方を扱う必要がある!
私の考えとしてはこのように考えています。
スライドを作ってみました。

インプットは2つのインプットが必要です。
一つ目は「ハラスメント研修」です。
この時、どのようなハラスメント研修が良いかは別途書いていきます。
もう一つのインプットとして「代わりのマネジメント」の提示がとっても大事です。
「してはいけないこと」だけを伝えても、研修を受けた人は「できないこと」「やってはいけにこと」が増えるだけで、何をすれば良いか、どうすると良いかわかりません。
ハラスメント行為の代わりにどのようなマネジメントやコミュニケーションを行なっていくと良いかを提示していくことが大事なのです。
代わりのマネジメントは組織ごとに選択していく必要があります。
スライドでは「心理的安全性」を一つの例としてあげています。
私自身は「礼儀正しさ」「敬意をもつ」「対人マナー」といったことが鍵になるのではないかと考えています。
もう一つは「ハラスメントが発生する構造の解消」です。
私は大きく3つの問題があると思います。
「加害者の人格の問題」→自分の感情を隠すことができない人など
「周囲の原因帰属の問題」→あの人は怒られて当然だ、という周囲の承認
「上位者による制御の問題」→あの人の機嫌を損ねると困る、などの状況があり、上位者がハラスメント行為を制御できない場合など
いかがでしょうか。
これは研修などで提示することができる部分もありますが、
それぞれに対して対策が違いますので、個別の分析と対策が必要です。
この3つの問題に関しても別のコラムで書いていきます。
このコラムで押さえておいてほしいと思うのは、
「ハラスメントをしてはいけない」という研修だけではハラスメントをなくすことはできない!
ということです。
まとめ
今回の記事は「休職する人をゼロにしたい」と書いた記事と連動した内容となっています。
「3つの予防」と「4つのケア」の全体像の中の1次予防✖️ラインケアを扱っています。
次回はもう少しハラスメントについて書いていくつもりです。
この記事を読んで「メンタル不調による休職をゼロにするために何かしたい!」と思った方がいましたらお声がけください。
一緒に考えていきましょう。
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