【コラム22】「人の問題を解決する方法」その3

【コラム22】「人の問題を解決する方法」その3

前回のコラムでは2021年の展望を書きましたので、この内容はコラム21の続きとなります。
前回は人の問題解決において「軸」が大事だよね、ということを書いておりました。今回はその軸は何が良いのか?ということを書いていきます。

結論から書くと「なんでも良い」です。
なんでも良いのですが、もちろんその軸に知識や理論、エビデンスがあれば、という条件付きです。
私はブリーフセラピーという心理療法を学ぶものであり、それを推奨するものですが、
それは私がそれを良いと思っているし、私にとっては使いやすく効果が出やすいから使っています。
それがどういうものかは、また後日書きたいと思います。
ここで私がこうすると良いのでは?と思っていることは、どの心理療法でも良いのですが、
断片ではなく、一つをしっかりと学ぶことをお勧めしたいのです。

断片がいけないわけではありません。実際に私が登壇する研修には心理学や心理療法の断片が多く入っています。
例えば、あまり強く持っていると問題になりやすい考え方の一つに「べき思考」があります。
これはコミュニケーション研修やレジリエンス研修やマネジメント研修などでもお伝えすることがあります。
これは認知行動療法の認知の歪みの一つを取り上げているわけです。
「べき思考」は自分を律するという点や、組織に規律をもたらすということでは、「〜の場合はこうすべき」「自分は責任を果たすべき」「約束を守るべき」などと有効に働くことがあります。一方これを使い方が誤ったり過度に使いすぎてしまうと、部下が疲弊している状況でも「どのような状況でも自分の仕事は自分が責任を持って取り組むべき」などと言ってしまって部下を追い込んでしまうということもあるかもしれません。
またそれを自分に適応してしまい、自分で自分を追い込んでしまうかもしれません。そういった時に「べき思考」や「認知の歪み」という知識を知ったり、それを自分に当てはめて検証してみることで、より適切な使い方ができるようになるかもしれません。
そうすると、仕事が楽に、自分が楽に、他人が楽になりませんでしょうか。
そういった意味でも心理学、心理療法の知識や技術は断片でも価値があると思います。

それはそれとしながら、私が提唱したいのは、一つの療法を断片ではなく学んでみることで、レベルが大きく違うコミュニケーションを手に入れませんか?ということ、また自分が「人の問題」を扱うときに揺るがない軸を持ちませんか?と思っているのです。
私は本格的に心理療法、私の場合はブリーフセラピーですが、学んで感じているのは「こんなにコミュニケーションは奥深く扱うことができるのか?」ということです。
仕草や表情をどれだけ細かく見ていくか、話している内容の含んでいる意味を多様にみていくか、自分の振る舞いの影響をどれだけ意識して振る舞うか、などなど。
こういったレベルのコミュニケーションを多くの人が知ることができたら、どんなに仕事が楽に、成果を楽に、人間関係が楽になるかと思います。

もう一度書きますが、何を学ぶかはどれでも良いと思います。自分にとって使いやすいもの、効果が出やすいもの、目的に叶うものを選べば良いのではないかと思います。

もし今回のコラムで少しでも興味を持つ方がいらっしゃいましたら、何か学んでみていただけると嬉しいです。
私はブリーフセラピーを扱いますが、それ以外の療法も面白いものがあります。

それでは今日はここまでとします。
ブリーフセラピーに関してはまた機会を作って書いていきたいと思います。

当社では下記の人の問題を解決する研修を実施可能です。
ご興味がある方はお声がけください。

「人の問題を解決するインタラクショナルデザインアプローチセミナー」
「ブリーフセラピー講座」
「組織セラピスト養成講座」

お読みいただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いします。

【コラム20】「人の問題を解決する方法」その2

【コラム20】「人の問題を解決する方法」その2

前回、今まで明確ではなかった「対人における問題解決法」を組織で働く人に身につけていって欲しいと
思っています。

というところまで書いておりました。
例えば、あなたの部下として5年目の優秀な方がいたとします。
この部下がとても難しいプロジェクトに参加しています。
通常であれば7年目以降に参加するレベルですが、期待が大きく抜擢されました。
日々とても意欲的に取り組んでいますし、よくついていっています。
ただちょっと最近少し疲れ気味のように見えます。

あなたはどうしますか?

自分だったらこういう時には、後押しして欲しいから、
「がんばれ!」と喝を入れようか?

このようなチャンスは中々ないものだから、どうにか頑張って欲しい、
部署としてもチャンスだが、部下にとっても大きなチャンスだ、
どうにか頑張らせたい

過去に無理をさせて潰してしまった経験がある。
あのようなことには2度としてはいけない
休ませよう、もしくはちょっと緩ませよう

どうでしょうか。
どれもうまく行く可能性がありますね。
ただ問題があります。
この判断は何を「軸」にしていますか?

1つ目は「本人」が軸です。自分が大丈夫だから大丈夫、
もしくは自分もきついと思うから相手もきつい。
この軸は多くの方が持っていますが、当たり前ですが自分と他者は違います。

2つ目は軸というよりは「期待・願望」ですね。
「期待・願望」を上司が持つことは部下にとって大きな力となりますが、
それをいつも適用して良いのでしょうか。

3つ目は「経験」です。この経験はとても大事な情報です。
経験が積み重なることで、判断は的確になっていくのは皆さんもご経験が
あるのではないかと思います。

何度も書きますが、これでうまくいくことがあるし、
人によっては相当うまく解決していくことができると思います。
ただ再現可能な、確率の高い軸かというとそうではありません。
研修講師として色々な現場の話を聞いていくと、また実際に現場で色々な管理職の方を見ていると
「危ない」と思うことが多くあります。
・・・とは言っても私もブリーフセラピーや心理学を学ぶ前は同じ状態でしたから、
偉そうなことは何も言えません。
「対人における問題解決法」なんてカリキュラムはほとんど見たことありませんでしたから。

今日はここまでにします。
では「軸」はどのようにすると良いのか。
次回そこに触れていきたいと思います。

当社では下記の人の問題を解決する研修を実施可能です。
ご興味がある方はお声がけください。

「人の問題を解決するインタラクショナルデザインアプローチセミナー」
「ブリーフセラピー講座」
「組織セラピスト養成講座」

お読みいただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いします。