【コラム22】「人の問題を解決する方法」その3

【コラム22】「人の問題を解決する方法」その3

前回のコラムでは2021年の展望を書きましたので、この内容はコラム21の続きとなります。
前回は人の問題解決において「軸」が大事だよね、ということを書いておりました。今回はその軸は何が良いのか?ということを書いていきます。

結論から書くと「なんでも良い」です。
なんでも良いのですが、もちろんその軸に知識や理論、エビデンスがあれば、という条件付きです。
私はブリーフセラピーという心理療法を学ぶものであり、それを推奨するものですが、
それは私がそれを良いと思っているし、私にとっては使いやすく効果が出やすいから使っています。
それがどういうものかは、また後日書きたいと思います。
ここで私がこうすると良いのでは?と思っていることは、どの心理療法でも良いのですが、
断片ではなく、一つをしっかりと学ぶことをお勧めしたいのです。

断片がいけないわけではありません。実際に私が登壇する研修には心理学や心理療法の断片が多く入っています。
例えば、あまり強く持っていると問題になりやすい考え方の一つに「べき思考」があります。
これはコミュニケーション研修やレジリエンス研修やマネジメント研修などでもお伝えすることがあります。
これは認知行動療法の認知の歪みの一つを取り上げているわけです。
「べき思考」は自分を律するという点や、組織に規律をもたらすということでは、「〜の場合はこうすべき」「自分は責任を果たすべき」「約束を守るべき」などと有効に働くことがあります。一方これを使い方が誤ったり過度に使いすぎてしまうと、部下が疲弊している状況でも「どのような状況でも自分の仕事は自分が責任を持って取り組むべき」などと言ってしまって部下を追い込んでしまうということもあるかもしれません。
またそれを自分に適応してしまい、自分で自分を追い込んでしまうかもしれません。そういった時に「べき思考」や「認知の歪み」という知識を知ったり、それを自分に当てはめて検証してみることで、より適切な使い方ができるようになるかもしれません。
そうすると、仕事が楽に、自分が楽に、他人が楽になりませんでしょうか。
そういった意味でも心理学、心理療法の知識や技術は断片でも価値があると思います。

それはそれとしながら、私が提唱したいのは、一つの療法を断片ではなく学んでみることで、レベルが大きく違うコミュニケーションを手に入れませんか?ということ、また自分が「人の問題」を扱うときに揺るがない軸を持ちませんか?と思っているのです。
私は本格的に心理療法、私の場合はブリーフセラピーですが、学んで感じているのは「こんなにコミュニケーションは奥深く扱うことができるのか?」ということです。
仕草や表情をどれだけ細かく見ていくか、話している内容の含んでいる意味を多様にみていくか、自分の振る舞いの影響をどれだけ意識して振る舞うか、などなど。
こういったレベルのコミュニケーションを多くの人が知ることができたら、どんなに仕事が楽に、成果を楽に、人間関係が楽になるかと思います。

もう一度書きますが、何を学ぶかはどれでも良いと思います。自分にとって使いやすいもの、効果が出やすいもの、目的に叶うものを選べば良いのではないかと思います。

もし今回のコラムで少しでも興味を持つ方がいらっしゃいましたら、何か学んでみていただけると嬉しいです。
私はブリーフセラピーを扱いますが、それ以外の療法も面白いものがあります。

それでは今日はここまでとします。
ブリーフセラピーに関してはまた機会を作って書いていきたいと思います。

当社では下記の人の問題を解決する研修を実施可能です。
ご興味がある方はお声がけください。

「人の問題を解決するインタラクショナルデザインアプローチセミナー」
「ブリーフセラピー講座」
「組織セラピスト養成講座」

お読みいただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いします。

【コラム21】2020→2021

【コラム21】2020→2021

あけましておめでとうございます。
昨年度はありがとうございました。
今年もよろしくお願いします。

前回「人の問題を解決する方法」その2を書いていまして、
本来その続きを書くのですが、今回はタイトル通り
2020→2021というテーマで書いてみたいと思います。

2020年のことはもう改めて書く必要はないと思いますが、
大変な年でした。そしてそれは終わりではなく、まだこれからも続いていきそうです。
私にとっては数年前から考えていた変化するべきことが、より切迫感を持って
進めていく必要が生まれた年でした。
コロナをきっかけに始まったり早まったりしましたが、社会の変化が今もこれからも
大きくなっていくだろうと思います。
私が目指しているのは
「組織の発展と個人の幸福感の両立を共創していく」ということです。
組織の発展を最大限後押ししていくわけですが、その時に個人が不幸になっていったり、
後回しになっていくのではなく、いかに個人の幸福感の両立をするのかをギリギリまで
考えていきたいと思っていますし、そういったお手伝いをしたいと思います。

2020年から始まり2021年も注力していきたいのは、
「変化への適応」です。
組織が変化をしていくことを後押しします。
同時にいかに個人が変化に適応できるかを支援していきます。
その自分なりの答えが、
キャリア研修やキャリア支援ですし、
人の問題解決をする技術の伝播です。
私は色々なコンテンツを作っていますが、全てのコンテンツの底流には、
「組織の発展と個人の幸福感の両立を共創していく」ためということが
あリます。

ここから少しこれからの予定を書いてみます。

・ブリーフセラピーや心理療法、心理学などの知見を元にした「人の問題解決」のための
コンテンツ開発や販売(もうすでに行っていますがブラッシュアップをします)

・これからの時代に必須となるであろう「信頼する力」を養成していく
管理職の1on1ミーティングの仕組みと導入研修の開発を共同開発

・本当の自律する力を持つためのキャリア研修やキャリア支援の実施

・組織セラピスト養成講座など支援職の方のスキルアップ支援

バラバラと見えるかもしれませんが、目指すことは全て同じなのです。
他にもこういうことしてほしいとか、一緒に考えたい方がいらっしゃったら、
お声がけください。

ここまでお読みいただきありがとうございます。
次回は「人の問題解決をする方法」に戻ります。

改めて今後ともよろしくお願いします。

【コラム20】「人の問題を解決する方法」その2

【コラム20】「人の問題を解決する方法」その2

前回、今まで明確ではなかった「対人における問題解決法」を組織で働く人に身につけていって欲しいと
思っています。

というところまで書いておりました。
例えば、あなたの部下として5年目の優秀な方がいたとします。
この部下がとても難しいプロジェクトに参加しています。
通常であれば7年目以降に参加するレベルですが、期待が大きく抜擢されました。
日々とても意欲的に取り組んでいますし、よくついていっています。
ただちょっと最近少し疲れ気味のように見えます。

あなたはどうしますか?

自分だったらこういう時には、後押しして欲しいから、
「がんばれ!」と喝を入れようか?

このようなチャンスは中々ないものだから、どうにか頑張って欲しい、
部署としてもチャンスだが、部下にとっても大きなチャンスだ、
どうにか頑張らせたい

過去に無理をさせて潰してしまった経験がある。
あのようなことには2度としてはいけない
休ませよう、もしくはちょっと緩ませよう

どうでしょうか。
どれもうまく行く可能性がありますね。
ただ問題があります。
この判断は何を「軸」にしていますか?

1つ目は「本人」が軸です。自分が大丈夫だから大丈夫、
もしくは自分もきついと思うから相手もきつい。
この軸は多くの方が持っていますが、当たり前ですが自分と他者は違います。

2つ目は軸というよりは「期待・願望」ですね。
「期待・願望」を上司が持つことは部下にとって大きな力となりますが、
それをいつも適用して良いのでしょうか。

3つ目は「経験」です。この経験はとても大事な情報です。
経験が積み重なることで、判断は的確になっていくのは皆さんもご経験が
あるのではないかと思います。

何度も書きますが、これでうまくいくことがあるし、
人によっては相当うまく解決していくことができると思います。
ただ再現可能な、確率の高い軸かというとそうではありません。
研修講師として色々な現場の話を聞いていくと、また実際に現場で色々な管理職の方を見ていると
「危ない」と思うことが多くあります。
・・・とは言っても私もブリーフセラピーや心理学を学ぶ前は同じ状態でしたから、
偉そうなことは何も言えません。
「対人における問題解決法」なんてカリキュラムはほとんど見たことありませんでしたから。

今日はここまでにします。
では「軸」はどのようにすると良いのか。
次回そこに触れていきたいと思います。

当社では下記の人の問題を解決する研修を実施可能です。
ご興味がある方はお声がけください。

「人の問題を解決するインタラクショナルデザインアプローチセミナー」
「ブリーフセラピー講座」
「組織セラピスト養成講座」

お読みいただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いします。

【コラム19】「人の問題を解決する方法」その1

【コラム19】「人の問題を解決する方法」その1

前回まで「会社と個人の関係を再定義する時代」というテーマで書いておりました。
このテーマにはまた戻りたいと思うのですが、ここでもう一つのテーマについて
書いておきます。

※このコラムでは事例が出てまいりますが、この事例は本人が特定されないよう、
状況に変更が加えられています。ご了承ください

以前も書きましたが、「変化と問題解決はセットで」ということが大事だと私は思うんです。
組織が変わる時、変わらざるをえない時、みんなが一斉にその変化に向かうことができることは、
ほとんどありません。抵抗があり、回避があり、退避もあります。
そういった各種問題が発生した時に適切な問題解決手法はあるのでしょうか。

私は研修講師として企業向けにリーダーシップや、問題解決、またマネジメント層に向けた管理職研修などを
行っています。そういった登壇そのものは、私の登壇をご覧になった方はお分かりいただけると嬉しいのですが、
時間の限り研修後に残るように関わろうと思っています。
それでもいつも「時間が足りない」と思うのは「現場で起こるあれこれ」まで扱えきっていないように思うからです。
もっと優秀な講師であればそこを踏まえた対応もできるとは思うのすが・・・
研修では主に正しい、または一般的にうまくいっていることを扱っています。

例えばコーチングを学んだとします。
通常であれば、学んだことを活かして朝ちょっとした時間でメンバーに考えさせるような質問をし、
夕方にまた話しかけたりして、メンバーに考えるきっかけや良い問いを投げかけると良いかもしれません。
また個人面談をした時に、管理職側の発信を抑えて傾聴に徹する、なんてこともできるかもしれませんね。

これはこれで素晴らしいし、今までやってきたことなければ大きな変化が生まれると思います。
ただ、もしあなたがしっかりと聞こうとすればするほど相手の緊張が増していき、
硬くなってしまい、まともな話ができないとしたら?
どうすると良いのでしょうか。

対応として関係性を変化させようとしますか。
自分の関わりを減らした方が良いでしょうか。
他の人に頼んだ方が良いですか。

どう判断しすると良いのでしょう。
実はこういった時に問題解決が置き去りになっているのではないかと思うのです。
今まで明確ではなかった「対人における問題解決法」を組織で働く人に身につけていって欲しいと
思っています。

次回もう少し続きを書いていきたいと思います。

当社では下記の人の問題を解決する研修を実施可能です。
ご興味がある方はお声がけください。

「人の問題を解決するインタラクショナルデザインアプローチセミナー」
「ブリーフセラピー講座」

お読みいただきありがとうございます。
次回はもう少し早く更新します・・・

【コラムNO.18】会社と個人の関係を再定義する時代】その3

【コラムNO.18】会社と個人の関係を再定義する時代】その3

毎週1度は必ずコラムを更新するぞ!
と思っていましたが・・・前回より16日経っています・・・

前回のコラムで
メンバーシップ型からジョブ型に移行するということが
良いかどうかわからない。
じゃあ、どうすれば良いの?ということで、私が今考えているのが、
「会社と個人の関係を調整する」ということです。
白黒つける、契約関係か、家族関係かではなく、
「会社と個人の相互支援関係」ではないかと思っています。
会社は個人のキャリア、生き方を支援すること
個人は自分のキャリア・生き方を作りながら会社の利益作りに貢献していくこと
この2つを会社の基本文化としていくことです。
と書いておりました。

そういえばと思い出したのですが、今から15年くらい前に私がモスフードサービスの
人事部に所属していたとき、当時の部長に提案書を提出しました。
細かいところは覚えていませんが、内容としては全ての社員を個人事業主にして、
それぞれと年間契約にすること、そういう自立した個人との協力体制を
作る組織にすることでモスはより強くなっていくのではないか?
またそういう契約形態は退職金の積み立てとか、保険などの費用が掛からなくなるため、
利益構造を大きく変えることができるのではないか?といった内容でした。
当時の部長は読んだ後、一言
「これは早いなぁ」と仰り話が終わりました。
若く血気盛んな?私は「早いからこそ良いんだ!」と憤っていたのを覚えています。

今思い返すと、結構良いこと言っていたんじゃないの?なんて思ったりもしますが、
実際行うとすると、相当大きな変革ですし、抵抗や個人個人の人生への影響、
教育体制や採用などなど、考えが足りない点が数多くありました。
また今思うと、この提案の問題点は
「ある一定の強さを持った人しか働くことができない」といった組織形態であったと
思います。この問題点はとても大きいと思いますが、またの機会にします。

さて「会社と個人の相互支援関係」を作っていくことを考えるときに、
乗り越えていく問題があります。
社員側としては
・エスカレーターに乗っているかのようなキャリア感を持ちがち
・自分のキャリアは会社が考えてくれているはずという無意識の依存
・会社に適した社内能力を高めてきたため、社外能力が育っていない能力形成
・他社や異業種との接触が少ない場合、社会や業界の変化に疎い
という状況が存在する可能性があります。

また管理職側は
・自分自身もキャリア感を持っていないため想像ができない
・自分の部下を、良い意味では「無理を言っても良い仲間」悪い意味では「自由に使って良いリソース」と思ってしまう
・部下の面倒を全て見なければいけないという無意識の義務感
・効率化や短期的視点のため、部下の能力が偏ってしまっている
・部下の視野を広げる機会を与えていない
という状況が存在する可能性があります。

皆さんいかがでしょうか?
組織を見渡してみていただけると嬉しいです。
こういった問題、壁を取り壊していくことが社員、管理職とも必要です。

今日はここまでです。
キャリアを扱うことについて書いてきましたが、
次回は「キャリアとインタラクショナルデザイン」のインタラクショナルデザインに
ついて書いていきます。
ここまでお読みいただきありがとうございます。

当社では以下のキャリア研修が提供可能です。

「管理職と個人の新しい関係性を構築するキャリアデザインファシリテーターセミナー」
「成長にこだわる20代キャリア研修」
「成果と強みにこだわる30代キャリア研修」
「価値の発揮にこだわる40代キャリア研修」
「準備と継承にこだわる50代キャリア研修」

ご興味ある方はご連絡ください。

【コラムNO.17】「会社と個人の関係を再定義する時代」その2

【コラムNO.17】「会社と個人の関係を再定義する時代】その2

少し期間が空いてしまいました。
前回
「人生を丸抱えしてきた、ある意味ギュッと一心同体の関係だった組織と個人が、
ちょっと距離をおいていくことになっていきます。
この時、組織と個人の再定義が発生していくのです。」
このような文章を最後に書いておりました。この続きからです。

もう一度書きますと、私は今までの関係が悪だった、と思っていません。
私はこういった関係を持つ企業に救われた人間です。
過保護かもしれませんが、個人の人生を守る機能でしたし、
その代わりに企業が得ている忠誠は企業の強みになり得ていたのです。

しかしながら、もうすでに企業は個人の人生を守る力を持っていません。
ということは個人の忠誠を得る力も弱まります。
では「ジョブ型」への移行が良いのでしょうか。
企業によってはすでに始めていますし、良い場合もあるのではないかと思います。
「契約」のみの関係への移行です。
正直に申し上げれば、私はまだこの移行に答えを見いだせていません。

その移行が効果的になるにはその環境が全く整っていません。
大学教育はビジネスの即戦力として設計されていませんし、
ビジネススクールも補助的な役割に留まっているのが多いです。
法整備としても解雇などが今の状態だと難しいでしょう。

またグルーバルで考えると、これは日本がどうこうではなくなるものの、
文化的な受け入れやすさもあります。
日本人が集団主義的かどうかは、その通説に対しての批判もありますが、
古典的研究であるホフステッドの50を超える国や地域のIBM社員への国際調査を
行っています。その中で文化的価値の5次元を抽出しているのですが、
「不確実性の回避」という項目で日本は回避志向強から数えて7番目なのです。
これは日本の従業員が、長期雇用、キャリア・パターン、退職金、健康保険などを
重視するとなっています。
また日本を含む東洋文化に生きる個人の間では「相互協調的自己観」が優勢であると
言われています。

上記のことから、移行していく流れにあるようだが、
それが良い形かはわからないし、この5年から長ければ10年くらいは、
良い影響よりも悪い影響の方が出やすいのではないかと思っています。

じゃあ、どうすれば良いの?ということで、私が今考えているのが、
「会社と個人の関係を調整する」ということです。
白黒つける、契約関係か、家族関係かではなく、
「会社と個人の相互支援関係」ではないかと思っています。
会社は個人のキャリア、生き方を支援すること
個人は自分のキャリア・生き方を作りながら会社の利益作りに貢献していくこと
この2つを会社の基本文化としていくことです。
これには契約の自由度、正社員になったり、状況によって地域社員に移行したりなどが
必要になったりしますが、まずは基本的な文化として提案していっています。

今日はここまでです。
また次回続きを書いていきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます。

当社では以下のキャリア研修が提供可能です。

「管理職と個人の新しい関係性を構築するキャリアデザインファシリテーターセミナー」
「成長にこだわる20代キャリア研修」
「成果と強みにこだわる30代キャリア研修」
「価値の発揮にこだわる40代キャリア研修」
「準備と継承にこだわる50代キャリア研修」

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【コラムNO.16】「会社と個人の関係を再定義する時代」その1

【コラムNO.16】「会社と個人の関係を再定義する時代」その1

前回までのコラムで2つのエピソードを書きました。
この2つのエピソードを通して、私自身は共生していく組織というイメージと、
問題解決力を持つ組織が個人の人生を助けていくんだ、というイメージを
持ちました。
そして今はさらに、
共生していく組織と個人
問題解決力のある組織と個人
を作っていく支援をすることが重要なのではないかと思っています。

今度はこれからの社会や組織について書いてみたいと思います。
コロナショックを通して様々な変化が社会・組織・個人と起きていますが、
そのうちの一つに「働き方」ということが挙げられます。
この「働き方」「働かせ方」ということは実は随分前から組織テーマの一つでした。
私には5年くらい前から企業からの「キャリア研修」の依頼が多くなってきました。
これは単純に私がキャリア研修をやる人だ、という認知が営業の方に広まったということもあると
思いますが、それを踏まえてもキャリア研修の依頼や提案したいという話はだいぶ増えました。

コロナショックにより今までゆっくり起きていた変化が急激に大きく、不可逆的に起きています。
ワクチンが出来ることや社会的許容度が高まることで、コロナショックはインフルエンザと同様の
警戒レベルに遅かれ早かれ落ち着いてきます。
しかしながら、コロナショックが落ち着いていったとしても、この変化が元に戻ることはなく、
テレワークを実施するしないといった問題ではない変化が起きており、それは元には戻らないと思います。

日経ビジネスなどの記事でもメンバーシップ型からジョブ型へといった内容があります。
この変化をただの制度変更という見方をしてしまうと対処を誤ります。
この変化は制度変更だけの変化ではなく、会社と個人の関係を再定義する変化なのです。
メンバーシップ型雇用を年功序列や終身雇用という言葉ではなく、会社と個人の関係という枠で
表現してみると、会社による人生丸抱えをする安心感の提供と、個人による会社のために滅私奉公する
貢献の提供の契約でした。
個人の人生には色々なことが起き、浮き沈みが存在します。新卒は経験や知識が足りない状態が存在し、
また個人の家庭環境の中で頑張れる時期とそうでない時期も存在しています。
そういった人生の浮き沈みを組織に所属するメンバー全員で支えあい、関わり合いながら乗り越えていきます。
たとえば「ちょっとAさんはご家庭の事情があって残業できない状況があるんだ。Bさんフォローしてやってくれないか?」
などの言葉が上司から出る時があります。
また人事異動の際にも「Cさんはあと少しこいう経験すると能力がグッと上がるんじゃないかと思うんだよね。
今度の異動はCさんにここで頑張ってもらおう」などの会話を人事の方がしていることがあります。
これは会社という組織が個人の人生の心配をし、個人の成長を促す仕掛けを考えているわけです。
色々なことがあり浮き沈みのある人生を支えていくことを組織が提供しているのです。
それに対して個人としては、望まない異動もあれば望まない仕事もありながらも、組織が色々考えているんだ、
という信頼を元に異動などの指示にしたがっていくのです。

これには問題もあれば良い点もあります。
私はこういった組織だったからこそキャリアが救われた1人ですので、
とても感謝していますし、良い点を数多くあげることができます。

良い点があるとしても、この形を組織は今後とっていくことはできません。
個人の人生を丸抱えすることを組織が担えなくなってきています。
これからジョブ型へ移行していく企業は増えます。
そうでない企業も丸抱えはできなくなっていきます。
同時に丸抱えできないということは、今までの個人への価値提供はできないということです。
個人への提供能力が減っているのに、個人からの貢献は今まで通り期待するということが
可能でしょうか。
人生を丸抱えしてきた、ある意味ギュッと一心同体の関係だった組織と個人が、
ちょっと距離をおいていくことになっていきます。
この時、組織と個人の再定義が発生していくのです。

今日はここまでにします。
またこの続きは次回に。
ここまでお読みいただきありがとうございます。

当社では以下のキャリア研修が提供可能です。

「管理職と個人の新しい関係性を構築するキャリアデザインファシリテーターセミナー」
「成長にこだわる20代キャリア研修」
「成果と強みにこだわる30代キャリア研修」
「価値の発揮にこだわる40代キャリア研修」
「準備と継承にこだわる50代キャリア研修」

ご興味ある方はご連絡ください。

【コラムNO.15】「結局何がしたいんだ、という話ですが」その2

今更ですが、今日からコラムにナンバーをつけてみました。
つけてみるとまだ15話目なんですね。まだまだです。

前回のコラムではあるお店での出来事について書きました。
自分にとって良いなぁと思える店舗のことと、そこで自分が対応できないことへの
葛藤を感じたことを書きました。
今日はもう一つエピソードを書きたいと思います。

5年目で店長になったばかりの時です。
身内で介護が必要な状況が発生しました。店長になったばかりですし、
私としてはどうにか両立して働いていきたいと思いましたが、
毎日大変でとても続けていくことはできないと思うようになりました。
私は退職願いを上司に提出しましたが、
上司は「会社に所属するということはお前を守ってやれるということだ」と
言ってくださり、休職にし、また最大限の配慮をしてもらいました。
私はその時「会社って人を守れるんだなぁ」と強く思ったのを覚えています。
この経験をきっかけに将来人事部で働こうという希望が生まれました。

前回と今回の出来事が自分の良い組織イメージを作ってきたように思います。
もちろん仕事としてとても厳しい場面はいっぱいありましたが、
根底に人を守り、共に働いていくということが存在していることが大事であろうと思います。

コロナショックにおいて、組織は変革を否応なく求められます。
その変革が可能であるなら良い変革であると良いと思うのです。
組織が成長していき、成果を出していく時に、そこで働く人々が、
同時に幸せであること。その難しい両立ができる組織であること。
そのために自分ができることは何か?ということを考えた時に、
「キャリアとインタラクショナルデザイン」に行き着きました。

次回なぜこの二つが両立する組織を作るのかについて書いていきます。

このコラムを読んで少しでも興味をお持ちになった方は声を
おかけくださると嬉しいです。
Facebookページに転載しますので、ホームページまたはFacebookページにて
コメントをお寄せください。

【コラム】「結局何がしたいんだ、という話ですが」

3、4月から色々考え動いて発信してということをしてきましたが、
明日から9月というこのタイミングでまとめてみたいと思います。
ちょっと自分語りが入りますので、そういうのが嫌いな方は読み飛ばしてください。

結局「キャリアとインタラクショナルデザイン」をしたい!
ということに落ち着きました。
とはいえ状況はそれぞれ変わりますので、来年違うこといっている可能性もなくはないのですが・・・
なぜこの二つ?そもそも何?とかもあると思うのです。
この二つは次回書いてみたいと思います。
今日はもうちょっと根本的なところで何がしたいんだ話です。
(もう20年くらい過去の話をしますが、個人の話は色々と条件や状態を変更して
書いています)

私は大学を卒業して株式会社モスフードサービスに入社しました。
モスバーガーですね。
2年目社員の時、あるお店で勤務していた時のことです。
そこに2人の大学生がアルバイトがいました。
男性のAくん、女性のBさん
二人ともとっても真面目でした。そして二人ともちょっと、いや、だいぶ不器用でした。
Aくんはレジに立っていると、お客様が3人くらい並んでしまうとパニックになってしまい、
キレはじめます。
お客様に「もうちょっとゆっくり話してください!!」と大きな声になりはじめます。
そうすると社員が駆け寄って「Aくん、ちょっとこっちにこよう。ゆっくり深呼吸しよう。さあ、スーハー、さあスーハー」
とやります。そうすると段々とAくんは落ち着いてきて「もう大丈夫です」となってきます。
Bさんもやはりレジやハンバーガーを作ったりしていると、忙しくなってくると慌てはじめ、
段々と泣きはじめます。あるとき気付いたらレジでポロポロ涙を流しながら、レジを打ち続けているのです。
私は慌てて駆け寄って「ちょっとサラダを作ってくれるかな?ここ替わるよ。大丈夫大丈夫」と話し、彼女を
厨房の奥に連れていきます。彼女はやはり泣きながらサラダを作り続けます。
段々と落ち着いてくると「すいませんでした」と謝ってきますが私や他のメンバーも「いいよいいよ」と
応えます」
モスバーガーで働いていると色々なクレームを頂戴します。
だけど不思議なのですが、このお店でこの2人の状態へのクレームを受けたことがありません。
また他の社員もパートさんもアルバイトさんも、AさんBさんへの文句を誰も言いません。
2年目の私は言葉で表現することなどできませんでしたが、
今思い返すと「すごい空間だな」と思います。色々な子が色々な状況で働いていて、
運営上は問題が発生しているんだけど、それは誰かが誰かを責めるのではなく、
その状況をただ対処するということ。
これはそのお店だけではなく、お客様もそういう態度だったわけです。
それはモスバーガーというブランドだからかもしれませんし、そのお店がずっと作っていた雰囲気の
影響かもしれません。

理由はわかりませんが、私の原体験としては社会イメージの理想でした。
優しくて実際的で、みんなを活かす組織

もう一つ、私が思っていた事は「自分は何ができるだろう」でした。
彼や彼女のパニックの時に何をすれば良いのか、また彼や彼女をもっと良い状態になるように
何ができるかという事です。
これはこの後のお店を通してもずっと感じていました。
そういった課題感が、6年目28歳の時に産業カウンセラーを取ろうと思った理由の一つです。

もう一つ大きなエピソードがあるのですが、量が多くなりすぎたので、また次回続きを書きます。
なので、次回はこの続き、「キャリアとインタラクショナルデザイン」はその後になりそうです・・・

今私は「組織セラピスト養成講座」を全7回で開いております。
また10月4日にはブリーフセラピー協会の講座で「ブリーフコーチング・エキスパート資格(ビジネス)」で登壇いたします。
ご興味ある方は私へのご連絡、またはブリーフセラピー協会のホームページをご覧ください。

【お知らせ】ライフ・スイッチファシリテーター資格取得しました!

【お知らせ】ライフ・スイッチファシリテーター資格取得しました!

表題の資格を取得しました。

この資格は株式会社ワーク・ライフバランスが発行しています。

〈ライフ・スイッチとは〉〜株式会社ワーク・ライフバランス社ホームページより

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『ライフ・スイッチ』は、ワークとライフの両方向から「時間の有限性」を体感していただくことで、働き方改革への取り組み・理解度を深めるきっかけとなる、弊社オリジナルのシミュレーション型カードゲームです。

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